雹(ひょう)が降って第10レース以降が中止となった昨日とは打って変わって晴天のもと、令和最初のGIである第24回
NHKマイルカップのゲートが開いた。
イベリス、
クリノガウディー、
プールヴィルが競り合う流れはやや速くなり、前半800mは45秒8。後半800mは46秒6という前傾ラップになった。
クリストフ・ルメールが騎乗する1番人気の
桜花賞馬
グランアレグリアは好位の内目につけた。
ミルコ・デムーロが乗る2番人気の
アドマイヤマーズは17番という外枠だったこともあり、中団の外にポジションを取った。
アドマイヤマーズを管理する
友道康夫調教師はこう言う。
「頭のなかでは、すっと3、4番手につける競馬を描いていたので、ジョッキーがゲートから押しているのを見て『あれ?』と思いました。それでも、最終的には4コーナーでいい位置につけていたので、これでなんとかなるな、と」
デムーロも冷静だった。
「枠順の17番はキツいと思っていました。でも、馬はこれまで1回も(スタートを)失敗していない。遅くてもすぐいいところにつけられる。結構前に行きたい馬がいっぱいいたので、どんなペースになるかと思っていた。ポジションは、これぐらいだと思っていました。でも、ポジションに関係なく、馬の気持ちだけを考えていました」
イベリスが先頭のまま直線へ。
アドマイヤマーズは、そこから5馬身以上後ろの外からスパートする。
アドマイヤマーズから
ダノンチェイサーを挟んで内にいた
グランアレグリアが、ラスト400m地点で外に持ち出した。そのとき、ダノンを外に押し出し、走行を妨害する形になった。
ラスト200m。
クリノガウディー、
トオヤリトセイトらが先頭争いを繰り広げる。
カテドラルが馬群の間から抜け出し、それらの外から
アドマイヤマーズがまとめてかわしにかかる。さらに外から18番の
ケイデンスコールが猛然と追い上げてくる。
「直線はずっと伸びていた。他馬が来たら、もう1回耳を絞ってまた伸びた。負けない気持ちが素晴らしい」とデムーロ。
アドマイヤマーズが先頭でゴールを駆け抜けた。半馬身差の2着に
ケイデンスコール。ハナ差の3着が
カテドラル。
グランアレグリアは4位で入線したが、5位入線の
ダノンチェイサーの走行を妨害したとして、5着に降着となった。
結果として、前日の雹で、荒れた部分が残った芝が明暗を分けた。普通の雨ならこうはならなかっただろうが、いわゆる外差しの馬場となった。内で立ち回ろうとした馬たちが苦しむのを尻目に、8枠から出た1、2着馬は、馬場のいい外目を伸び伸びと走り、好結果を出した。
(文:島田明宏)