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東京マイルは複勝率100%レッドオルガ プンプン匂う/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年05月08日(水) 18時00分
 ゴールデンウイークが明けたとなれば、予想業界が熱視線を送る、あの「VM男」に登場願うしかあるまい。一昨年のアドマイヤリード(6番人気1着)&デンコウアンジュ(11番人気2着)に続き、昨年もジュールポレール(8番人気1着)を激奨。もはやゴールが見えている「トレセン発(秘)話」高岡功記者に、第14回ヴィクトリアマイル(12日=東京芝1600メートル)の筋書きを描いてもらおうではないか。3年連発を期す、今年の穴テーマは「血の呪縛からの解放」だ。

「競走成績」がそのまま「繁殖成績」にリンクするわけではないのは、この世界ではある意味、常識。いわゆる名牝級の競走成績を残しながらも、繁殖牝馬としてはいい子を出せないまま終わった、数多くの実例がそれを証明している。

 エリモシックエリモピクシーの姉妹2頭を管理した沖芳夫元調教師(本紙で自身のホースマン人生をつづった「夢」を好評連載中)は、GI馬の姉エリモシック(1997年エリザベス女王杯)より、好走はしながらもついに重賞を勝てずに終わった妹エリモピクシーのほうが、繁殖牝馬としては上を行くことを“予見”していたという。

「なんでって、エリモピクシーのほうが馬格があって、腹構えもしっかりしていましたからね。そういうところが繁殖牝馬としては重要なんです。オーナーにはずっと“ピクシーのほうがいい子を産むと思います”と言っていたんですよ」

 その「眼力」はさすがというべきか。これといった馬を出せずに終わった姉エリモシックとは対照的に、妹エリモピクシーリディルクラレントレッドアリオンサトノルパンと重賞ウイナーをすでに4頭も輩出。産駒の重賞総勝利数は11勝を数える。そしてヴィクトリアMにも、5頭目の候補レッドオルガを出走させるのだから、のちに平成〜令和にかけての「名繁殖牝馬」として必ず名が挙がる存在になることだろう。

 エリモピクシーの子供に共通する特徴は、左回りのマイル戦にめっぽう強いが、GIを勝つにはチョイ足りない(別表=トータルで東京マイルGI3着4回)。しかし今週のレッドオルガで、その惜敗続きに終止符が打たれるかもしれない。

「状態は申し分ないですね。正直、前走(阪神牝馬S7着)は良化途上。カイ食いがイマイチで、毛ヅヤも冴えなかったんです。それに比べて今回はメッチャ順調にきています。あとは枠順とか、馬場とか、展開とか…。馬と僕に運があるかどうかだけだと思っています」とは担当する田中大助手だ。

 言うまでもないが、レッドオルガもまた、きょうだい共通のキャラをしっかり“踏襲”しており、とくに東京マイルは過去1・3・1・2着と複勝率100%を誇る。

「ジョッキーも言っていましたが、右回りだと、どうしても勝負どころで自分からハミを取って行かない。やっぱり血統なんでしょうか。左回りのほうが自分から進んで行けるし、スムーズなんですよね」(田中大助手)

 だからこそ、陣営は早くから「GIを取るならここ」と、この血統のオハコである東京マイルのヴィクトリアMを目標にしてきた。手綱を取る北村友も「この馬で、この舞台を勝てないのは、まずいですよね」と自らにプレッシャーをかけているという。

 エリモピクシーの初子リディルが、初めて東京マイルのGIに挑んだのが2011年の安田記念(7着)。個人的にはこの時、直線で前が詰まり通しになる不運がなければ、GIをあっさり勝っていたと思っているが…。そこから始まった“GIを勝てそうで勝てない”この血統の「呪縛」を、レッドオルガに解き放ってもらいたいと思っている。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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