令和元年の
日本ダービーまであと10日。GIだけを狙う“異例ローテ”による勝利が頻出し、従来の常識が覆されつつある近年だが、それでも
日本ダービーを狙うような馬となると
皐月賞を中心とした
ステップを踏んでくる馬が主流になる。
そこで、ここでは
皐月賞と
青葉賞、そして
京都新聞杯を取り上げ、スポーツニッポンの看板記者”万馬券の哲”こと小田哲也氏と、展開予想の「Vポジション」を武器に
ウマい馬券で活躍する倉本匠馬氏にそれぞれの前哨戦の評価を訊いた。
【やはり中心となるのは
皐月賞組】
最初は
皐月賞から。過去10年で9頭の優勝馬がここからの
ステップを踏んでいるが、その王道ローテについて小田記者は
「雨予報は出ていたが、レース中は降らず、時計は出る馬場。前半5F59秒1〜後半5F59秒0の緩みない流れ。これを4角7番手から差し切った勝ち馬
サートゥルナーリアは着差以上に強い。
勝ち時計1分59秒1も、2年前の良馬場施行の
アルアイン(1分57秒8)には劣るが、当時ほどの高速馬場ではなかったことを考えれば超A級。ただ、アタマ差2着
ヴェロックスと決定的な差とは?
個人的には、3着
ダノンキングリーも高評価。究極の上がり勝負だった
共同通信杯とは一転し、脚を使わされる展開でひと脚使えたのは大きい」
と、
サートゥルナーリアにはさすがの“穴の万哲”も脱帽の様子。倉本氏も、
皐月賞上位3頭とそれ以外の差は大きいという評価だ。
「
NHKマイルCを制した
アドマイヤマーズが離された4着に敗れたように、上位3頭はズバ抜けた力があることを証明するレースとなった。
とくに、叩いて上積み見込める
サートゥルナーリアと内枠が仇となった
ダノンキングリーは、本番でも大注目の存在となるだろう。着差を考えても、上位3頭をそれ以外の馬が逆転する可能性は非常に低い」
続いて、
青葉賞。ダービー
トライアルしかもGIIという格付けながら、過去に1頭も本番の勝ち馬を輩出していないが、今年のレースを小田記者はこう評する。
「雨の影響でやや重。極端に時計は掛かっていなかったが、2400m換算で0秒4から0秒6は時計を要した。逃げ切った
リオンリオンは、前半5F59秒9と見た目より速めのラップ。
開催2週目で内寄りの芝の傷みが軽微なぶん、内&前有利の馬場状態ではあったが、あの馬場状態で2分25秒0でまとめた時計は優秀。
道悪巧者が多い
ルーラーシップ産駒で湿った馬場もプラスに働いたが、馬場差を考えれば2分24秒台前半で乗り切る脚力はあるはず。
逆に、2着の
ランフォザローゼスは逆に馬場が影響? ダービーで勝ち負けはともかく、良馬場かつスローからの決め手比べだと馬券圏内はあるかも」
と、勝ち負けまでは厳しくても馬券に絡む可能性までは否定しなかった。かたや倉本氏は、
「ペース自体は流れたが、縦長かつ5番手の馬の仕掛け遅れもあり、非常に評価が難しい一戦。ただ、2着の
ランフォザローゼスが
京成杯などで取りこぼしたように決してハイレベルなメンバーではなかった。
さすがに、
皐月賞の上位3頭を脅かすほどのパフォーマンスを発揮した馬はいなかったので、今年も
青葉賞組は厳しい戦いを強いられそう」
と、シビアな
ジャッジを下している。
最後に、過去に13年ダービー馬
キズナを送り出した
京都新聞杯については
「逃げて2着の
ロジャーバローズは、前半60秒0の完全Mペース。これを4コーナー9番手の外から、正攻法で差し切った
レッドジェニアルには正直驚いた。
皐月賞6着の
タガノディアマンテが従来とは違う先行策で、勝手は違ったかもしれないが、5着完敗。机上の計算だと、レッドは「
皐月賞5着」相当の価値はある。ただ勝ち時計2分11秒9は低調。
昨年の勝ち馬
ステイフーリッシュ(ダービー10着)が2分11秒0。今年も昨年並みの時計が出る高速馬場だっただけに、ダービーに直結するとはいいがたい」
と、小田記者は勝った
レッドジェニアルには一定の評価は与えつつも、レース内容については厳しめ。それについては、倉本氏も同様のようで
「例年の
京都新聞杯らしい流れと競馬で、力関係がハッキリした一戦だった。4着の
ナイママと5着の
タガノディアマンテ、6着の
ブレイキングドーンが
皐月賞組。
それを物差しに考えると、勝ち馬や2着馬のパフォーマンスは
皐月賞上位組には届かない。
青葉賞と同等程度のレースレベルと考えるべきだろう」
今年の
京都新聞杯組には、
皐月賞組を脅かす力はないという評価だ。
レースぶりからも、
皐月賞の上位3頭が強力というのは誰もが感じるところ。
サートゥルナーリアはもちろんのこと、小田氏、倉本氏はともに3着の
ダノンキングリーを高く評価している。
1、2着馬には
皐月賞で差をつけられてしまったが、2走前の
共同通信杯では後に
NHKマイルCを制した
アドマイヤマーズを差し切るなど、中山から東京へのコース替わりも魅力といえそうだ。
皐月賞上位3頭の着差はさらに開くのか、2、3着馬の逆転があるのか、それとも思わぬ馬が上位3頭の前に立ちはだかるのか、来週の最終追い切り、枠順発表も見逃せない。
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