皐月賞から栗東滞在で
日本ダービーへ挑む
ヴェロックス。
皐月賞では直線で馬体がぶつかるアク
シデントがありましたが、最後までよく頑張って走っていましたね。
「
皐月賞の直線ではこっちも一瞬寄ったところを川田さんがよく立て直してくれました。スピードが乗ったときにぶつかったので痛かったのですが、よく頑張っていたし、あわよくば差し返すんじゃないかっていう雰囲気がありました」と調教パートナーの猿橋助手。
とてもタフなレースを経験しましたが、その後は栗東に在厩のまま調整しています。
「もうちょっと苦しくなるかな、と思ったんですが。思いのほか、ケロッとしています。少しレースまでの間隔に余裕があるので、目立った時計を出していないときも普段乗る量を増やしたりして調整してきました。十分乗り込んでいたので、反応も我慢も効いていますよ。特に不安になるような要素はなく順調にきています。もともと乗りやすい馬ですが、さらに乗りやすさが出てきていますね。」
この中間はカイバ食いも落ちなかったですし、むしろ体は増えているそうです。
「実は、競馬よりも調教のほうが走っていたりする。そのへんに制限をかけると、待たされるなど我慢させられるという意識があるのか、ちょこっとだけ1日か2日くらいカイバを食べなくなったりするんですけどね。すぐに切替えてくれます」
中内田厩舎は東京コースで行われるレースの前は、基本的に水曜や木曜の追い日のほかに、栗東のウッドコースが左回りになる火曜と日曜に強い負荷をかけた追い切りを行っています。この中間もそのようなパターンで調整を重ねています。
「今回は東京コース。1コーナーがカギになるでしょう。そこで噛んだり、ロスしたりすることがないように。(ゲートを)出していっても、鞍上から指示があればちゃんと待てるように、といったこちらのイメージにもきちんと応えてくれています。」
そういえば、東スポ杯のときも他馬とぶつかっていますね…。今度こそ他馬とぶつかりませんように。
「そうなんですよ。二回もぶつけられているんで、今度はぶつけんといてください(苦笑)。」
(取材・文:花岡貴子)