26日に東京競馬場で行われる競馬の祭典・
日本ダービー。2005年のダービーで
インティライミに騎乗し、
ディープインパクトの2着となったこともある元騎手の佐藤哲三さんに、
皐月賞上位、別路線組、出走予定馬の評価について解説をしてもらった。
JRA・GI6勝の名手だけあり、説得力のある言葉で今年のダービーを分析してくれた。
―――平成最後のダービー、昨年のダービーはどんなダービーでしたか?
いいダービーでしたね。自分の馬券は外れてしまったんですけど(笑)。私は
ブラストワンピースを応援していたのですが、後輩の福永くんにはずっとダービーを勝ってもらいたいと思っていたので、ゴールの瞬間は思わず泣きましたね。福永くんは重いものを背負っていて。お父さんの代から悲願達成の瞬間は、いいもの見せてもらえたな、って思わずホロッと(笑)。
―――令和最初のダービー、今年のダービーはどんなダービーになると思いますか?
時代が変わったなって思いましたね。早い段階から使ってきている2頭が
皐月賞1、2着。そこに、これからの競馬の流れが見えてくるんじゃないかなと思いました。
ひと昔前だと、6〜8月にレースを使って勝ち上がる馬は“早熟”と思われていたのですが、今年の
皐月賞の結果を見ると、そういう考え方は改めていかないといけないと思いました。6月デビューの
サートゥルナーリア、8月小倉デビューの
ヴェロックス。ともに相当に強いです。
また馬の成長を待って10月にデビューし、レースを確実にものにしてきて、
皐月賞で僅差の争いに加わってきた
ダノンキングリーも逆転候補の一頭です。
この
サートゥルナーリア、
ヴェロックス、
ダノンキングリーの3頭はちょっと力が上かな、と思っています。距離が延びても問題ないと思いますし。あとは、枠順、枠の並びがどうなるかですね。順位は展開のアヤなど、そういった運に左右されるのかな。
―――その3頭の順位、また別路線組はどうでしょうか?
サートゥルナーリアの
皐月賞、あれ、すごく難しい競馬をしたんですよ。並の馬なら、たぶん簡単に負けていたと思いますよ。
皐月賞と同じ日に同距離で行われた9R
鹿野山特別(芝2000m)に出走した
ルヴォワールという馬。ルメール騎乗、1番人気、12番ゲート、そして競馬内容まで
サートゥルナーリアとまったく同じだったんですけど、簡単に負けてしまって。
改めて振り返ってみると、外々を回らされて難しい競馬をしながらも、いとも簡単に勝ってしまった
サートゥルナーリアって本当に強かったな、と思いましたね。僕は2冠候補だと思っていますよ。
ただ、
ヴェロックスも相当強いです。この時期って馬が急に変わってくる時期なので、どれだけ成長しているか、でチャンスは十分あると思っています。
その他の路線の馬たちも素質があって走ると思っていますが、ただ底力という点でいうと、
皐月賞組に劣るかな、というのが正直な感想です。
もちろん、スピードが生かせるような馬場になればいいんでしょうけど、やっぱり、ダービーは開催が進んだ時期に行われるので、単純なスピードだけでなく、パワーも兼ね備えてないと当然厳しいので、タフさという点でどうでしょうかね。
―――乗ってみたい馬を一頭だけ挙げるとしたら?
うーん…乗ってみたいのは
ヴェロックスかな。脚の使いどころとか、川田くんがめちゃめちゃ上手く乗ってきているんで、それ以上にうまく乗ってみたいかな。
スピードを乗せながら、それでいて切れ味もある長所があって。そこのネジの巻き方だったり、緩めないなかで、どこで巻いていこうかな、というのが面白そう。かみ合わせ加減がすごく面白そう。それでも、
サートゥルナーリアは強いと思うけど(笑)。
―――今年のダービーの見どころを教えてください。
ヴェロックス、
サートゥルナーリア、
ダノンキングリーの三頭がどういう競馬をするかに注目しています。すみません、めちゃくちゃ月並みになってしまいましたけど、大丈夫ですか(笑)?
―――大丈夫です(笑)。ダービーはどこで観戦されますか?
当日は仕事の関係もあって、東京競馬場で観戦します。競馬はライブが一番です。パドックの気配であったり、風向きであったりとか、その時にしかわからないものが競馬場にはたくさんあります。本来は現地で馬券を買うほうが絶対に有利に働くはずですよ。不利に働いたりするときがたまにあるから困ってしまうのですが(笑)、それもまた馬券購入の楽しみでもありますよね。なので、当日はぜひ競馬場へ足を運んでみましょう。
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