年一のビッグレース(
日本ダービー)が終わったというのに、まるで休ませてくれる気配のない
JRA。
アーモンドアイ、
ダノンプレミアムの「2強対決」に沸く
安田記念は副産物みたいなものだが、早期デビュー組こそ注目しなくてはならない2歳新馬戦が始まるし、降級制度がなくなったことでクラスの呼び名も変更になる。特に後者は慣れるまでが大変だ。
「1勝しか挙げていないのに、重賞2着の賞金があるので3勝クラス。これっておかしくないか」なんて話題がどこまで続くのか。ちなみに
宝塚記念で初のGI制覇を見据える
エタリオウは、1勝馬でも堂々のオープンクラス。この状況を競馬初心者の方にどう説明すればいいのか頭を悩ませている。以前よりもややこしくなったと思うのは記者だけだろうか?
とりあえず、先週の取材では「このクラスでも通用する力があるから」的なコメントを「500万でも通用する力があるから」に何度も言い直してもらい、この表記への惜別も終了。「なんでこんな言い方をせなあかんの」とツッコミながらも、協力してくれた音無調教師に感謝の意を表したい。そのお礼というわけではないが…。
「結果的に前走(
マイラーズC4着)は馬をかわいがり過ぎた。あの調教で結果が出ていれば、それまでの見方を変えられたけど…。この馬はやっぱりビシッとやったほうがいいね。今回は行く馬もいるし、実は左回りのほうが走りもいい」
安田記念で前述の2強に挑む
インディチャンプの話が好感触だったことも強調しておく。
一方、話題がてんこ盛りのため、重賞とは思えないほど薄い扱いを受けているのが
安田記念前日の
鳴尾記念。しかし、
ウオッカ産駒
タニノフランケルの重賞初制覇がかかる一戦となれば、自他ともに認める“
ウオッカ信者”としては、黙ってスルーできるわけがない。
といっても重賞挑戦は今回で6回目。いまさら…という感じもあるが、
タニノフランケルを担当する中田助手が「だいぶ完成してきました。現在はサイコミュを積んでないジオング。しかし足はあります」と
ガンダムファン以外は、置いてきぼりの表現で近づいてきたとあれば、長い付き合い、取り上げないわけにはいかない。
もちろん、「サイコミュのないジオングなら、ゲルググのほうがマシではないか?」と記者は思っている。しかし、彼は「ジオングはジオング。最終兵器ですよ。それに現状でも足はあります」と。誰にでもわかる表現で言えば、これまでよりも「やれそうです」ということらしい。
「切れがなくて体も大きいから、道悪は得意と考えられてるみたいだけど、まだ力がつききってないので道悪は走れない。前走(
金鯱賞10着)は仕方がないんです。でも重賞で勝ち負けするのは早くて4歳秋、5歳になってからが妥当かな…と思ってたくらいですから。こちらの予想よりも半年以上は成長が早い」と普通のコメントもできる中田助手は
ウオッカの担当者でもあった人物だ。
ウオッカ引退後にはアイルランドまで会いに行ったほどで、その愛情は実に深い。「狙いはサマー2000シリーズ」と言ってはいたが…。
鳴尾記念は
宝塚記念の前哨戦。
ウオッカ産駒の手綱を引いて、彼がGIのパドックを回る姿も見てみたいと思っている。
(栗東の本紙野郎・松浪大樹)
東京スポーツ