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マーメイドS・G3」(9日、阪神)
7度の重賞挑戦で複勝圏に食い込むこと実に4度。あと一歩のところで涙をのんできた
フローレスマジックが、悲願の初タイトルに向けて万全の態勢を整えつつある。
1週前追い切りは美浦Wで、馬なりのまま際立った末脚でフィニッシュ。余力たっぷりの内容に、木村師は「動きには満足。(レースで)本気を引き出せていないんじゃないかって思うと、へこむんだけど」と苦笑いだが、それもこの馬の素質に期待しているからこそだろう。
前回の福島牝馬S(2着)では、入厩したのは規定上最短の10日前。しかし、今回は2週半前の入厩となった。「いろんな修正も利いているし、余裕を持ってやれています」と説明。“惜しい”から解放されるため、微調整を重ねに重ねた。
惜敗の多い馬だけに、やはりテーマは“気持ち”だという。「余裕はあるし、調教では悪くない。1週前追いでも若い馬をリードして教育できていた。もう他馬の支えがなくても真っすぐ走っている」。同厩の後輩たちを引っ張る立場になり、“甘え”が消えつつあるのかもしれない。
重賞を勝って当たり前。デビュー当初からそんな期待を背負っていた。「彼女を管理していることで、私の寿命は縮まっています。でも、彼女のおかげで厩舎の仕事の質は上がっている。重賞、獲らせたいよね」。大きな期待を抱き、いざ阪神へ-。
提供:デイリースポーツ