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変わりゆく…日本競馬の夏/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年06月07日(金) 18時00分
 安田記念も終わり、トレセンはすっかり夏モードに。在キュウしている一流馬は宝塚記念を予定しているケースがほとんどで、それ以外はオフに入ったはずが…。そんなタイミングでトレセンに戻ってきたGI馬がいる。キングジョージVI世&クイーンエリザベスS(7月27日=アスコット芝2400メートル)に出走予定のシュヴァルグランだ。

「先週の金曜に帰ってきました。体の張りがいいし、トップラインの肉づきもいい。なによりも調教に対するモチベーションが高いところがいいですね」とは英国遠征に帯同する予定の大江助手。

 一流馬の夏といえば、これまでは休養するのが当たり前。出走しても札幌記念くらいしか選択肢がなかったのだが、今後はこのような遠征が増えてくるかもしれない。つまりは目指すべきレースの多様化だ。

「夏のヨーロッパはシーズンの真っただ中ですし、僕らが行くニューマーケットは気候もいい。すべての馬が夏に休養して、秋の国内GIを狙う理由はないんですよ。日本馬のレベルは上がっているわけだから、視野を世界にまで広げてレースを選んでいく。そんな考え方が今後は増えると思います」(大江助手)

 アイルランドのハイランドリールを知っている方は多いだろう。GI7勝を挙げた名馬だが、日本人が恋焦がれている凱旋門賞の出走はわずかに1度(2着)。一方で香港ヴァーズには3年連続(1→2→1着)、米ブリーダーズCターフにも2年連続(1→3着)で挑戦。自身の適した舞台でタイトルを積み重ねた結果、トップホースの仲間入りを果たした。

 シュヴァルグランの戦略もこれに近いのかもしれない。高速馬場の東京でアーモンドアイのような馬とスピードを競うより、スタミナの生きる場所で走らせる。キングジョージのレベルは高いが、凱旋門賞ほどではなく、頭数もそこまで揃わない。もちろん、それ以降も海外に滞在し、転戦することまで考えているのかも。いずれにしろ、カレンダー本位ではなく、馬本位の考え方だ。

「アスコットの馬場が合うかどうかはわかりません。でも、とりあえずは行ってみないとね」(大江助手)

 盛り上がりに欠ける夏競馬に小さくない話題を提供するだけでなく、当然ながらJRAの馬券発売もある。このシュヴァルグランはもちろん、今週末のマスターフェンサー(米ベルモントS)、再来週のディアドラ(英プリンスオブウェールズS)など、活躍の場を広げる日本馬を全力で応援していきたい…と思った初夏の午後であった。 

 (栗東の本紙野郎・松浪大樹)

東京スポーツ

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