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待ちに待ったダート転向ワイドファラオ/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年06月14日(金) 18時05分
 この仕事をしていれば、当然ながら「待ちに待った」レースがある。記者にとって“超”がいくつも付くほど特別な日本ダービーは、気持ちの高ぶりを抑えきれないという意味では「待ちに待った」レース。しかし、今回のユニコーンSは意味合いが違う。自身の財布を膨らましてくれることを期待して…。つまりは馬券的な面で「待ちに待った」レースなのである。

 そんな待ちに待った馬の名はワイドファラオだ。ここまでの5戦は全て芝のレースで、ニュージーランドTを勝ち、前走のNHKマイルCにしても、9着ながら着差は0秒4。芝でそれなりの実績を残している馬のダート転向に、疑問符を付ける識者もいるかもしれない。だが、まるで逆。その発想は正反対だ。芝でも走れたのはそれだけの能力を秘めているからで、本質はダート馬。それも相当なレベルの馬だと確信している。

 しかし、長かった。待ちに待った期間は実に8か月。キュウ舎のコメンテーターである辻野助手が「父がヘニーヒューズですし、乗り味もダート馬のそれなんですが、お母さんのワイドサファイアは芝で走った馬じゃないですか。まずは芝で…というのがオーナーの希望でもありますから」とコメントした、そのデビュー戦は10月13日。当時から「いや、でもダートでしょ。この馬は」と返していたものだ。当時からダートに転向する日をずっと待ち続けていたのである。

「中京で芝の未勝利を勝ったんですが、あのときは状態が下り坂。勝っても負けても放牧で立て直すことが決まってましたからね。まあ、そんな状態でも“ダートなら負けないけどな”とジョッキー(福永)は言ってましたし、僕もダートなら勝てるだろうと思ってましたけど」とは担当の高田助手。彼もワイドファラオのダート適性を早いうちから口にしていた。

 ちなみに高田助手は14年前のユニコーンSを勝ち、のちに「ダート界のディープインパクト」と言われたカネヒキリを担当していた人物。もしかしたら、あの名馬に続くのではないか――。そんな期待感をぶつけてみると「いや、それはさすがに気が早過ぎでしょう。このレースだってダートで実績を挙げてきた馬が何頭もいるし、重賞を勝っているから斤量も1頭だけ重い。どれくらいやれるのかな、という感じですよ」と楽観はしていない的なコメントも出してはいるが…。

 一方で「ゲートセンスが抜群なうえに、芝からのスタートも慣れている。普通、初ダートの時は砂をかぶったときにどうかっていう心配があるけど、この馬はそういう状況にはならないと思う」と実際の手応えは隠しようがない。こちらも「待ってました感」がハンパないのだ。

 3年前はゴールドドリーム、昨年はルヴァンスレーヴ。世代最上位の馬たちが集うユニコーンSの勝ち馬は、その後も大活躍する馬ばかり。つまりはGI級の能力がなくては勝てない一戦だ。あまりにも気の早い話で恐縮だが、記者の来年のフェブラリーSの本命馬がこのワイドファラオ。ゆえに同世代相手のレースで負けてもらっては困るのである。
 
(栗東の本紙野郎・松浪大樹)

東京スポーツ

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