上半期のGI戦線のラストを飾る
グランプリレース。古馬中距離路線の先頭を走る実力馬たちが毎年激戦を繰り広げているが、内回りの非根幹距離ということもありGIの中では格よりも適性が物を言いやすいレースとも言える。
1.前傾ラップのスタミナ比べ
宝塚記念は過去10年中7年が前傾ラップで、上がり3Fの平均タイムは36.0秒。舞台となる阪神2200mはゴール手前の急坂を除けば平坦からなだらかな下りが続くコースであり、道中のペースが極端に緩むケースは少ない。加えて最終週の荒れた芝、降雨などの要因も重なり、例年豊富なスタミナが要求されるタフなレースとなる。
2.
天皇賞(春)で馬券圏外に敗れた馬が巻き返す
過去10年、前走で
天皇賞(春)に出走していた馬が5勝を挙げている。その中でも3着以内だった馬が複勝率15.8%なのに対し、4着以下に敗れていた馬は複勝率26.1%でこちらの方が成績が良い。
3.求められる末脚の質
前走で上がり最速を使っていた馬は複勝率10.5%と不振気味。狙いたいのは複勝率31.6%の前走の上がりが3位〜5位だった馬。キレのある33秒台の末脚ではなくバテずに相対的に差して来れる34秒台後半の末脚が要求されるので、他コースでは末脚で見劣りがちな馬に巻き返すチャンスが生まれる。
エタリオウは前走の
天皇賞(春)で4着。じりじり差しては来るも届かないという内容のレースばかりだが、タフな阪神2200mという舞台でもう一押しが利く可能性は高い。横山典騎手との初コンビも魅力で悲願のGI奪取を期待したい。