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【宝塚記念予想】レイデオロは不吉なジンクスを覆せるか? 宝塚記念未勝利の海外帰りでも“買い”といえる3つの条件/JRAレース展望

  • 2019年06月20日(木) 18時32分
 有力馬に海外帰り組が3頭もおり、混戦ムードに拍車をかけている今年の宝塚記念。梅雨の時期ということも影響し、雨が残った馬場でのレースが多くなりがちだが、例にもれず、今年も週末は雨予報。近2年のように11秒台の決着か、それともゴールドシップが連覇した13、14年のように13秒台となるのか。時計面や馬場、土日の天候が結果に大きく左右するだろう。

 さらに、今年は典型的な逃げ馬不在のメンバー構成も非常に気になる。確かに、近走はキセキが先手を主張する競馬をしているが、無理に出していくタイプでもない。昨年は、逃げ馬に競りかけたタツゴウゲキとの兼ね合いで控える形になり、伸びを欠いた。

 昨年とは真逆のスローペース濃厚も4コーナー一団で外伸び傾向にある今の馬場ならば、直線で差し馬が押し寄せ、ガラッと着順が変わる可能性も否めない。少頭数で、直線の短い内回りコース特有の難しさを帯びそうである。

 データで見ても、圧倒的に外めの枠が優勢なのは明らかだ。最終週でタフな馬場も影響し、近10年では、1〜4枠が2勝で5〜8枠が8勝。ピンク帽に限って見れば10年ナカヤマフェスタ、15年ラブリーデイ、16年マリアライトがそれぞれ8、6、8番人気と人気薄で勝利している。

 また、有力馬3頭と同じ前走海外組に関しては、過去10年で[0-3-1-12]と16頭出走し、勝ち馬はなし。ルーラーシップドゥラメンテクラスの馬でも2着止まりで、1番人気が予想されるレイデオロには気になるデータといえるだろう。

 しかし、筆者はレイデオロが大きく崩れることはないと考えている。その理由は全部で3つ。雨にも対応する力があること、自在性のある競馬、ルメール騎手騎乗である。

 やはり雨に対応する力がないようでは、この時期のレースを制することは容易ではない。しかし、レイデオロ自身、昨年の有馬記念で2着に好走しているようにいかなる条件、コースでも一定の力が発揮できる強みは大きい。

 それは自在性のある競馬にもつながるが、内回りコースはポジショニングの部分が結果の半分を占めるといっても過言ではない。一番問題視される面を、阪神内回りコースを乗り慣れたルメール騎手と自在性で補える以上、崩れることは考えにくいし、1番人気に推されるのも納得である。

 ただし、不安な要素もなくはない。それは、コーナーで加速していくなかでギアが上がりきらない部分が少しある点だ。昨年の有馬記念で、ブラストワンピース相手に取りこぼしたのもそれがひとつの要因である。4コーナーで加速し切れず、そこで若干差を開けられたぶんを直線で詰め切れなかった。

 とくに今年のように、緩い流れで4コーナーから直線にかけての上がり勝負となれば、そこで加速する馬にやや置かれてしまう可能性がある。それが致命傷となり、有馬記念同様に届かないということになりかねない。

 したがって、枠は早目に動くことができる内よりも外がベスト(2枠2番に決定)。ただし、マークする馬を間違えると、4コーナーで自分より前にいる馬に残られてしまう可能性がある点だけは注意しておきたい。現時点では軸として最適も、アタマで絶対視するのは危険という評価である。

 同じくドバイ帰りのスワーヴリチャードと、香港帰りのリスグラシューはどうだろうか。前者は大阪杯を制しているように、右回りの阪神内回りコースは条件として決して悪くない。スタートにやや課題があるが、馬場にも対応可能で相手候補として必ず取り上げる必要があるだろう。

 後者も金鯱賞で雨に対応し、秋華賞を見ても内回りに問題は見受けられない。阪神の内回りコースも鳴尾記念で経験したレーン騎手が乗るのであれば、今年の期待の1頭として取り上げたいところである。先ほど取り上げたようにデータ的には苦しいが、今年の海外帰り3頭についてはいずれも勝ちを意識する高い評価が必要だろう。

 一方で、前走大阪杯で1、2、4着のアルアインキセキマカヒキは、昨年下半期すべてのレースにおいてレイデオロに先着を許している。決して今回のレースで条件が好転するとはいえないことを考えれば、今年は前走海外組の3頭を基本的には信頼すべきではないだろうか。筆者は枠次第で、レイデオロもしくはリスグラシュー(8枠12番に決定)が過去10年勝利なしのジンクスを破るのではないかと考えている。
(文=倉本匠馬)

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