少頭数ながら6頭のGI馬が出走し、勝ち馬の取捨に頭を悩ませそうな今年の
宝塚記念。パドックは、取捨の最終的な
ジャッジを下す場として多くのファンが馬体を注視しているが、そこで長年、多くの馬体を見続けてきたのが古澤秀和氏だ。今回は、
宝塚記念に出走を予定している有力馬について、馬体面から考察してもらった。果たして、その眼鏡にかなった馬は?
【上位人気馬は総じて勝ち負けを意識できる】
まずは取り上げるのは
レイデオロ。ドバイ帰りですが、馬体を見る限りデキ落ちはなく、良い状態で出走できそうです。ベストは2000mだと思いますが、2200mは問題ありませんし、阪神コースも問題なくこなせるでしょう。内枠に入りましたので、ある程度、ポジションをとっていけば上位争いできると思います。
その
レイデオロと、人気を分け合いそうなのが
キセキ。前走時よりも、さらに状態が上向いています。皮膚を薄く見せ、筋肉の張りも素晴らしいのひと言。繋ぎが長く、スタミナがあって条件も合いますし、道悪になっても大丈夫。前々で運べば勝ち負けできるはずです。
今回の出走馬で、紅一点の
リスグラシュー。以前は華奢で見栄えがしませんでしたが、今はどっしりして本当に良くなっています。
ハーツクライ産駒でスタミナが求められるこの条件は合っていますし、道悪もこなせるタイプ。
スイープトウショウや
マリアライトなど、過去には牝馬が勝ってきた歴史もありますし、上位争いは必至と見ています。
スワーヴリチャードもドバイ帰りですが、こちらも間隔が空いていい状態です。太め感もありません。昨年の
大阪杯を勝っていますが、距離はこれくらいのほうがいいでしょう。本来は力上位ですし、上位争いは可能です。
今年の
大阪杯でGI2勝目を挙げた
アルアインは前走時も素晴らしいデキでしたが、今回はさらに良くなっている印象です。2000mほどではありませんが、この距離ならギリギリ守備範囲。勝つまではどうかも、得意の内枠なので上位に食い込んでくる可能性は十分です。
ここまで紹介してきた馬ほど人気はありませんが、
スティッフェリオも面白い存在。グンと馬が良くなってきた印象で、筋肉の張りも良く、皮膚も薄く見せて完成されてきました。距離も問題ないですし、
ステイゴールド産駒でこの舞台は合わないはずがないでしょう。相手は強いですが、ここはチャンスがあると思います。
それぞれ状態が良く、傑出した馬もいないので難しいレースになりそうですが、当日の馬場などで絞れてくると思います。当日はパドックから直前情報をお送りしますので、ぜひ
ウマい馬券にご注目下さい。
(文=古澤秀和)