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美浦トレセン大規模改修工事で関東馬試練の幕が…/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年06月27日(木) 18時00分
 今週から、関東エリアは東京から福島に舞台を替えて、本格的なローカル開催に突入する。そして今年に限れば、夏競馬=試練のシーズンの幕開けとの見方が関東馬に成り立つだろう。

 無論、その理由は昨年から始まった美浦トレセンの大規模改修工事だ。栗東を超える高低差33メートルに生まれ変わる坂路コースが最大の売りだが、使用頻度の高いウッドチップコースを従来のBコースから現在ダートのDコースに移設するのも目玉のひとつ。すでにDコースは今年1月末から封鎖されており、今週からはウッドチップの入れ替えに伴い、Bコースもいよいよ全面閉鎖。完成時期は今年9月の見込みで、調教の主流たるコースがこの夏は一切使えない危機に各陣営が直面している。

 南馬場は芝、ポリトラックの2コースのみが使用可能になるため、当初は「日頃は閑古鳥が鳴く北馬場(ダートコース)もいよいよ日の目を見る」との噂も出回ったが、実際に取材を重ねると、さにあらず。多くの陣営が坂路やポリトラックを主流に考えていることが判明した。

「当初は北馬場(ダート)での追い切りも考えましたが、この梅雨時季は当日にならなければ馬場状態が分からないのがデメリット。さらに思った以上に(砂が)薄いという声も聞くので」。尾関知人調教師のこの言葉が、おそらく大方の陣営の感覚だろう。

 今週のラジオNIKKEI賞ディキシーナイトを送り出す国枝厩舎の佐藤勝美助手は、こんな言葉で非ウッド調教の難しさを語っている。

「ポリトラックは時計が出やすい分、負荷にならない。芝は根の張りが良くてクッションもいいけど、2歳馬のスクーリングにしか使えないしね。本当はコース追いが理想だけど、結局は坂路に頼らざるを得ないかも」

 そんな中でも仕上げにひそかな自信を見せるのが、日頃からポリトラックを積極的に活用する戸田博文調教師だ。

「一時はポリトラックも速くて硬くて不評だったけど、爪の深いハローをかけるようになって、そのあたりがだいぶ解消されてきた。確かにウッドと比べて負荷は物足りないかもしれないが、その分は坂路で強めに乗ってから追い切る手法もある。ウチはポリトラック調教で最初に結果を出した厩舎だし、さほど問題ないと思っているよ」

 いずれにせよ、普段以上に創意工夫が求められる今夏の美浦トレセン。関東記者としては強い関西馬に負けないよう各陣営の奮闘を願いたい。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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