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文句なしの価値 マテラスカイ砂界最強の米国勢脅かし/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年07月03日(水) 18時00分
 芝がメインの日本とは逆に、ダートが主流の米国競馬。今年、その舞台に身を投じたマスターフェンサーで米クラシック3冠中2冠に挑戦したのが角田調教師だ。

「日本では2歳の早い時期はダートのレースそのものがあまりなかったりするけど、向こうはダートで結果が出ない馬が芝に行く。まるっきり逆なんだから、そりゃあレベルは世界一でしょう。特に短距離戦。ケンタッキーダービーに出てきた馬も、それまでに2000メートルを使っている馬なんてのはいなくて、短い距離を勝って、だんだん距離を延ばしていく。向こうのスピードレースに日本馬が立ち向かおうとするなら、よっぽど先行力のある馬か、モマれ強い馬じゃないと難しいな」

 確かに、2400メートルの長丁場であるベルモントSではマスターフェンサー(5着)以外にも、2016年にラニが3着に好走したが、短い距離ほど米国馬と五分の走りをする日本馬が現れる可能性は低くなるのかも…。

 いやいや、そんなハイレベルな短距離競馬で結果を出した貴重な馬がいるではないか。日曜(7日)の中京メイン・GIIIプロキオンS(ダ1400メートル)にエントリーしているマテラスカイだ。

 前走のドバイゴールデンシャヒーンでは、逃げてそのまま押し切ったエックスワイジェットに番手マークで最後まで食らいつき、米BCスプリントで17年2着、18年3着の強豪インペリアルヒントには先着して“米包囲網”を打ち破った。これまでゴールデンシャヒーンに挑戦してきた日本調教馬の中で最先着の2着。これは文句なしに価値のあるレースだ。

「すごくいい状態だったので楽しみにはしていましたけど、正直、想像以上の競馬をしてくれたと思います。改めて走る馬だと認識しましたね」とは高野助手。

 振り返れば、昨年のプロキオンSで圧巻の4馬身差レコードVを決めた馬。これくらいは走れて当然? いやいや、その後、4・2・5・13着と伸び悩んでいただけに、関係者にとっては大きな自信になったようだ。

「実は昨年のドバイ遠征(ゴールデンシャヒーン5着)後は、ずっと在キュウで競馬に使っていたんです。硬くてダメージの残りやすい馬だけに、なかなかリフレッシュできなかったというのが本音。ただ、今年のドバイ遠征後はしっかり休養を取れましたから。そのおかげか、この中間はすごく状態が良くて、1週前追い切り(26日=栗東坂路4ハロン50.5秒)でも抜群の動き。最近の中では一番状態がいいんじゃないでしょうか」(高野助手)

 時計勝負にめっぽう強い馬だけに、梅雨入りの影響で今週も脚抜きのいい馬場になれば大歓迎。世界最強の米国ダート短距離勢を脅かした馬が、今年も“プロキオンの星”になることを早くも予感している坂路野郎である。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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