先週もお伝えしているが、今週からDコースのポリトラック馬場がリフレッシュ工事のため、閉鎖になっている。ただ、Dコース全体が閉鎖になっているわけではなく、芝馬場は調教利用が可能。実際、10日も11日も追い切りを芝馬場で行うという厩舎がいくつもあった。
天候に関しては、梅雨ということもあり、スッキリと晴れるという日はない。気温もさほど上がらず、過ごしやすい日が続いている。ウッドチップ馬場に関しては、雨の影響もさほど受けていない。
【坂路/4F51.9秒】
7月10日。一番時計は
アスタースウィング(栗東・
中竹和也厩舎)の4F50.0秒。先週に引き続き、速い時計が出る馬場だが、全体的に時計が速いというよりも、動く馬ならいつもより速い時計を出すことが可能な馬場といった感じ。
とはいえ、4F50.9秒、2F23.8秒と後半2Fの速さがとんでもなかった
クリノガウディー(栗東・
藤沢則雄厩舎)。もともと追い切りで動くタイプではあるが、不振だった春シーズンに比べると、調子が良くなったことを示す時計といってもよいだろう。出走予定の
中京記念(7月21日・中京芝1600m)はハンデ戦。3歳馬でもあり、いろんな意味で注目してみたい1頭になるだろう。
7月11日。一番時計は4F51.3秒の
トーセンアミ(栗東・
大久保龍志厩舎)。4F51秒台はこの馬を含めて2頭しかいなかったが、これは全体的に追い切り頭数が少ないことが影響したと思われる。馬場自体は前日とほぼ変わりない状態だろう。
先週の馬場差は「-0.5秒」。10日の4F51秒台の頭数を思えば、基準時計よりも0.5秒速い馬場差にしてよいか悩むところだが、2Fだと25秒を切る頭数はかなり多いので、走りやすい馬場であることは間違いない。よって、今週の馬場差も先週と同じ『-0.5秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
7月10日。ウッドチップの入れ替え工事がほぼ済んでいるような状況だが、それによって、適度な負荷をかけることができ、速すぎず遅すぎずの時計が出ている印象。入れ替える際に転圧に時間をかけているということで、入れ替え時独特の「深さ」がないところがよいのだろう。
6Fだと81秒から82秒台。このあたりが平均的な時計となっているが、これでラスト1Fが11秒台だとかなりしっかりした動きという印象。
福永祐一騎手が跨った
インヴィクタ(栗東・
友道康夫厩舎)は6F81.9秒、1F12.0秒。数字だけでなく、動き自体もスムーズな走りで良く見えた。
7月11日。10日の追い切りを終えて、札幌競馬場へ移動する厩舎も多数あり、かなり閑散とした感じ。そんな中、
バーデンバーデンC(7月14日・福島芝1200m)に向けた最終追い切りを行ったのは
カラクレナイ(栗東・
松下武士厩舎)。
中村将之騎手が跨って、4Fからの追い切りだったが、行きたがる様子もなく、スムーズに加速していき、ラスト1Fが最も速くなるラップを踏んでフィニッシュ。4F51.9〜3F37.8〜1F12.0秒と数字は好走時と変わらないものだったが、動き自体は少しこじんまりしてきた印象もある。
中京記念(7月21日・中京芝1600m)に向けた1週前追い切りを行ったのは
ミエノサクシード(栗東・
高橋亮厩舎)。
ムーンオブバローダとの併せ馬だったが、追いかけて、楽々と先着してのゴール。時計は6F83.9〜5F66.3〜4F50.7〜3F36.7〜1F11.5秒と後半が速く、ゴール前での推進力ある走りは非常に目立っていた。
先週の馬場差は「-0.8秒」。基準時計よりも速い数字が出やすいというのが、ここ数年のCW傾向だが、入れ替え工事によって、基準時計に近い状態になってきた。よって、今週の馬場差は10日、11日とも『-0.4秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
芝馬場は晴れる日が少ないこともあってか、パンパンの良い状態という感じではない。常に緩さがある状態で、どうしてもラスト1Fが時計を要してしまう感じ。ただ、速い時計が出るよりも、このくらいの方が調教として利用するには適度なのかも知れない。今週の馬場差も先週と同じ『+1.0秒』で記録している。
なお、ポリトラック馬場は冒頭に記したようにリフレッシュ工事のため閉鎖。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)