これは栗東に限ったことではなく、全国的なことだと思うが、とにかく暑い。日中の気温が30℃を超えているのはもちろんだが、早朝でも気温が高い。7月31日も8月1日も調教開始前から26℃になっており、8時前には30℃近い。日射しがきついので、体感はそれ以上。そろそろ夏負けする馬も出てきそうな気がする。
【坂路/4F51.9秒】
7月31日。一番時計は4F50.5秒の
レトロロック(栗東・角居勝彦厩舎)。出走予定の
小倉記念(8月4日・小倉芝2000m)は休み明けになるが、そんなことを感じさせないスピードを見せた。体重の軽い
松山弘平騎手が跨っていたとはいえ、最後はほぼ馬なりなのだから、状態の良さは間違いないだろう。
8月1日。一番時計は
カレングロリアーレ(栗東・安田隆行厩舎)の4F50.6秒。ただいま連勝中の3勝クラスだが、後半2Fが11.9秒、11.8秒というラップが圧巻。基準時計よりも走りやすい馬場であることは間違いないが、それでも調子が良いからこそ、踏むことができるラップといった感じもする。
先週の馬場差は「-0.5秒」。今週は2F24秒切りが2頭もいたので、先週よりもまだ速い馬場といった印象。雨が降っていないことも走りやすさに影響しているような気がする。よって、今週の馬場差は先週よりも速い『-0.7秒』で、7月31日、8月1日とも記録している。
【CW/5F66.0秒】
7月31日。6Fから時計を出すのが主流ではあるが、馬場差を見る時のひとつの目安として、3F時計を参考にすることがある。いわゆる勝負どころからゴールに向かって加速していくスピードなので、ここでどの程度の時計が出るかによって、走りやすい、走りにくいを判断することができる。
3F37秒を切れば、素晴らしく速いが、それが8頭もいたのが今週。もちろん、みなが体調の良さで出した時計だとは思うが、それだけではこの数字は出ない。つまり、かなり速い馬場だからこそ、この時計が出ていると判断したいところ。
8月1日。朝一番に
関屋記念(8月11日・新潟芝1600m)へ向けての追い切りを行った
ソーグリッタリング(栗東・
池江泰寿厩舎)。
浜中俊騎手が跨って、
サトノナレッジ、
プランドラーを追いかける内容だったが、向正面へ入るあたりでは先頭と2秒近い差があった。よって、追いつくかどうか心配したが、この馬の脚力ならという感じ。
ただ、前も軽快に走っており、最後の直線で内に進路を選ぶも、なかなか前との差が詰まってこない。結局、ゴールでは遅れてしまったが、時計は6F81.9〜5F65.9〜4F50.8〜3F36.9〜1F11.9秒なので、遅れたこと以外に不安に感じるところはない。
栗東に滞在中の
ロードクエスト(栗東・
小島茂之厩舎)も
M.デムーロ騎手を背に、
関屋記念の1週前追い切り。レース間隔が詰まっているのに、4F54.6秒の負荷はまずまずといったところだろう。ただ、最後の直線での手前の替え方など、前走から大きく変わった印象もあまりない。
先週の馬場差は「-0.5秒」。馬場状態としては、先週よりもかなり走りやすくなっている印象を受ける。よって、今週の馬場差は31日、1日とも『-0.9秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
天気が良かったこともあってか、ここ最近では最も少ない追い切り頭数。馬場に関しては、晴れが続いていることもあってか、一時期よりも走りやすそうな印象を受ける。よって、今週の馬場差は31日、1日とも『+0.5秒』で記録している。
なお、ポリトラック馬場はリフレッシュ工事のため閉鎖中。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)