「エルムS・G3」(11日、札幌)
ダート界で飛躍の秋を見据える面々が北の大地に集結した。レース連覇が懸かる昨年の覇者
ハイランドピークは、今年に入り5、16、13、6着と苦戦続き。だが、前走
大沼Sの走りに復活の兆しが見えた。重賞初制覇を飾った思い出の地で、高らかに完全復活を宣言する。
昨年の当レースを制した
ハイランドピークには、上がり馬らしい勢いがあった。だが、今年は“らしさ”が影を潜めている。復帰戦の
総武Sこそ、休み明けに敗因を求めることができたが、その後はマーチS16着、平安S13着と大敗が続いた。
石井助手は「大敗した2戦ともに騎手が、直線でやめるような格好をしたと。もともと気持ちで走るタイプなので、その辺りかな」と分析。その気持ちの部分に変化が感じられたのが前走の
大沼S。勝ち馬には離されたものの、直線でレースを投げるような面は見せず、最後までしぶとく走り切った。徐々に良化を遂げているのは間違いないだろう。
前走後は7月17、24日に函館ダートで時計を出し、その後は札幌へ移動。同31日に札幌ダートで5F67秒7-12秒3をマークするなど、いい動きを見せている。「ここ2週しっかりと調教ができて、体はできている。勢いのあった昨年と比較すると物足りないけど、雰囲気は良いですよ」と同助手は復調の感触をつかんでいる。
4コーナーで先頭に並び掛け、強気に力でねじ伏せた昨年のようには行かないまでも、強力な逃げ馬がそろって速い流れが見込まれる今年は、展開面を味方につけることができそうだ。「相手は強いけど、展開は向きそう。前が飛ばして離れた好位を進めれば」と同助手。鍵になるのは精神面。最後まで戦う意志を示すことができれば、連覇があっても不思議はない。
提供:デイリースポーツ