JRAコパノキッキングに騎乗する
藤田菜七子騎手の重賞初Vなるかに注目が集中しそうな、12日(振休・月)盛岡10Rのダート
グレード競走・第24回
クラスターカップJpnIII(ダート1200m、発走16時50分)。前走、
北海道スプリントカップJpnIII(門別1200m外回り)を3馬身差で圧倒し、待望の重賞初Vを決めた
ヤマニンアンプリメら
JRA勢は5頭が出走する。
迎え撃つ地方勢は、このレース「5年連続出走」で過去2着1回(2017年)3着3回(2015、2016、2018年)の地元大将格
ラブバレットはじめ岩手所属4頭、大井・笠松から各1頭。そして、北海道(門別)からも大挙3頭が参戦、2年ぶりの「地方馬V」を目指す。
今回挑む3頭は、地元大将格
ラブバレットともども「勝利の期待」を懸けられそうな実力馬ぞろい。浦和・
小久保智厩舎から
田中淳司厩舎に転入2戦目の一昨年覇者
ブルドッグボス(牡7、
父ダイワメジャー)に、2走前
北海道スプリントカップJpnIIIで
ヤマニンアンプリメの2着に追い込んだ同厩舎
メイショウアイアン(牡9、
父マヤノトップガン)、そして今回
JRA→大井を経ての転入2戦目で悲願の初重賞Vめざす
ショコラブラン(牡7・
小野望厩舎、
父クロフネ)が“大仕事”に挑む。
それぞれの近況や調整過程、レースプラン等々について、
田中淳司師、
小野望師が以下のように話してくれた。
■2枠2番
ブルドッグボス(大井・
御神本訓史騎手55)
田中淳司師「うちに来てからも変わりなく順調です。前走の転入初戦はゴール前で2着馬に詰め寄られましたが、門別1200mでテンの3Fが33秒8という異常に速いラップで行きましたからねぇ…。褒められた騎乗じゃない中で、逆によく踏ん張ってくれたなと感じたくらいです。
今回は枠順も良いですし、本来の自分のペースで運べるでしょう。一昨年の優勝時から2年経ってますから同等の走りを求めるのはちょっと酷かもしれませんが、上位争いに加われると思ってます」
■3枠3番
ショコラブラン(金沢・
吉原寛人騎手54)
小野望師「しばらく猛暑が続いて、聞いていた通り『暑さが苦手なんだな』と感じるところもありましたけど、金曜・土曜と涼しくなってくれて直前の状態としては不安なく送り出せます。うちに来る段階で、オーナーサイドからはこの
クラスターカップが目標で、その前に一度使ってほしいとのことでしたので、
グランシャリオ門別ス
プリントで初のタイトルをと思ったんです。
ところが、前を交わした時点でフワッとする“らしさ”を出してしまって…。前の馬は一生懸命に捕まえに行くんだけど、後ろから来る馬には頓着ないみたいで。勝ち馬(
メイショウアイアン)にも巧く乗られましたしね。今回は道中、前に速い
JRA勢がいるはずですので、競馬はしやすいでしょう。坂を上がって外から前を捕まえてゴール、みたいな形が理想かな。頑張ってくれると思ってますよ」
■8枠13番
メイショウアイアン(北海道・
落合玄太騎手54)
田中淳司師「昨年8歳でうちに来て、遠征で重賞を勝ったり(絆カップ=盛岡1600m)もしてくれましたけど、昨年はちょっと腰とかに疲れが溜まってたんだと思うんですよね。冬場しっかり休んで、開幕後も無理せず月1走のローテを守っている今シーズンは、9歳だけど、去年より全然、体調が良いんですよ。強力メンバーのス
プリントカップでも直線は鋭い脚だったし(2着)、前走は1000mでもある程度付いて行って直線もしっかり脚を使ってくれましたからね。
加えて今回は枠順(8枠13番)もいい。砂をかぶると幾らか下がっちゃうところがあるんで、外めを回れるのはプラス。黙って後ろから付いて行って着を拾うような競馬ではなく、ある程度ポジションをとって積極的に勝ちに行く
スタイルで臨みたいと考えています」
読んでいただいた通り、3頭とも陣営はそれなりの手応えを感じての参戦だ。もちろん「
JRA勢の壁」が低くないのは承知の上。いずれも積極的な運びで「勝ちに行く競馬」を見せてくれそうだ。
その姿勢が「2年ぶりの地方馬V」という形で結実することを期待したい。
(文=ひだか応援隊)