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【英・インターナショナルS】レーティング1位・クリスタルオーシャンにシュヴァルグランが挑む/海外競馬の見どころ

  • 2019年08月21日(水) 10時00分
 本日、英国・ヨーク競馬場にてインターナショナルSが行われる。日本からはシュヴァルグランが参戦。日本馬としては05年ゼンノロブロイ(2着)以来の挑戦となる。悲願の海外G1初制覇となるだろうか。出走予定の有力馬は次の通り。

 ■8/21(水) インターナショナルS(3歳上・G1・ヨーク芝2050m・9頭)

 シュヴァルグラン(牡7、栗東・友道康夫厩舎)は英G1・2戦目となる。前走・キングジョージ6世&クイーンエリザベスSは6着。直前の雨で脚を取られてしまう形となり、力を出し切れなかった。2着クリスタルオーシャンとは再戦となるが、そのほかで先着を許した馬は不在。キングジョージに比べると相手関係はかなり楽になった印象だ。

 ヨーク競馬場は英国では平坦な競馬場として知られている左回りのコース。ジャパンカップを制したシュヴァルグランにとって東京競馬場に似たコース形態はプラス材料だろう。今回のポイントは2050mへの距離短縮。昨年・大阪杯以来の中距離戦に対応できるかどうかが鍵となる。

 この後は日本に帰国する予定であり、是が非でもタイトルが欲しいところだ。鞍上は、前走に引き続きO.マーフィー騎手が務める。昨年はロアリングライオンとのコンビでこのインターナショナルSを制しており、今年は現時点で英国リーディングの座に輝いている。ナッソーSでディアドラを勝利に導いた鞍上の手綱さばきに注目が集まる。


 クリスタルオーシャン(牡5、英・スタウト厩舎)が断然の主役であり、シュヴァルグランの前に立ちはだかる。前走・キングジョージ6世&クイーンエリザベスSでは世界女王エネイブルとの壮絶なマッチレース。結果は惜しくもクビ差敗れてしまったが、世界中の競馬ファンが魅了された。2走前・ディアドラも出走したプリンスオブウェールズSでは、マジカル・ヴァルトガイスト・シーオブクラスといった一流の古馬を完封。これによりワールドベストレースホースランキングで首位に輝いた。

 ここまで全レースが3着以内という抜群の安定感。G1レースでは連対率100%。先行して押し切るレーススタイルに死角はない。今回は初対戦の3歳馬との力関係が鍵となるが、エネイブルへのリベンジを果たすためにも、ここでは負けられない。プリンスオブウェールズSに続くG1・2勝目を狙う。鞍上は前走に引き続き、J.ドイル騎手が務める。


 キングオブコメディ(牡3、英・ゴスデン厩舎)が逆転候補の一頭。ここまで重賞勝ちはないが、重賞初挑戦となった前走・セントジェームズパレスSはスタート直後、内外の馬に挟まれてしまうという不利。ダッシュが付かず後方待機を余儀なくされるが、直線では後方3番手から素晴らしい末脚を披露し、勝ち馬にクビ差まで迫った。

 今回は中距離戦も古馬相手も初めてで試金石となる一戦。しかしゴスデン調教師は、前走の脚を余したようなレースぶりからも、中距離適性を高く評価している。ヨーク競馬場の最後の直線は約1000mと長く、その末脚を存分に発揮することが出来そうだ。鞍上はL.デットーリ騎手。デットーリ騎手×ゴスデン厩舎のコンビは、今シーズンだけでG1を10勝。絶好調のゴールデンコンビから目が離せない。


 愛国産馬のジャパン(牡3、愛・オブライエン厩舎)も注目馬であり、クールモアの最有力馬。偉人の名前や、地名を馬名にすることが多いクールモアグループの一頭であり、血統背景は日本にゆかりがあるわけではないが、その実力は申し分なし。多くの名馬が制した登竜門・ベレスフォードSを2歳時に制して注目を浴び、今年のイギリスダービーでもわずか半馬身差の3着に好走。

 その後ロイヤルアスコット開催のG2キングエドワード7世Sを4.1/2馬身差で圧勝すると、続くロンシャンのG1・パリ大賞を好時計で快勝。G1初制覇を果たした。世代トップクラスの能力を示しているが、今回が古馬初対戦となる。鞍上はここ2戦に引き続き、クールモアの主戦・R.ムーア騎手。


 サーカスマキシマス(牡3、愛・オブライエン厩舎)は3歳マイルG1・セントジェームズパレスSの勝ち馬。イギリスダービーでは上位争いに加われず6着に敗退するも、その時の鞍上・デットーリ騎手から距離短縮を進言されての参戦だった。先行して押し切る競馬を得意としており、セントジェームズパレスSでも3着トゥーダーンホットに交わされたように見えたが、差し返すという勝負根性を披露。キングオブコメディの末脚を封じ、見事G1初制覇を飾った。

 前走・サセックスSでは古馬勢を抑え2着。1着トゥーダーンホットと共に、世代レベルを証明した。今回の鍵は中距離をこなせるか否か。クールモア勢のラビットも予想されるが、その非凡な勝負根性は本物。同型・クリスタルオーシャンとのポジション争いにも注目。鞍上はD.オブライエン騎手。


 エラーカム(牡4、英・ジョンストン厩舎)は約1100万円の追加登録料を払っての参戦。父はG1・10勝フランケル、母は英愛1000ギニーなどG1・5勝のアトラクション。両親合わせてG1・15勝という超良血。しかしそのキャリアは決して順風満帆ではなく、英2000ギニーではディープインパクト産駒サクソンウォリアーに敗れ4着など、3歳時は勝ち星を挙げることが出来ず。秋には気道の手術が施された。

 そして今季、G3やリステッドレースなどを中心に使われてきたが、今回のインターナショナルSと同舞台・G2ヨークSを3.1/4馬身差で完勝。満を持しての仕掛けから、後続を一気に突き放した。この快勝が追加登録料を支払っての参戦の決め手となった。鞍上はJ.クローリー騎手


 先日ナッソーSを制したディアドラも、道悪のプリンスオブウェールズSから見事に巻き返したが、長期滞在による環境への適応も大きな勝因の一つ。シュヴァルグランにも、ディアドラに続く快挙に期待したい。発走は日本時間23時35分。馬券発売は「即PAT会員」のみが対象となっている。

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