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最後の桜へ 名伯楽・西浦師の思いを乗せてウーマンズハート/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年08月21日(水) 18時00分
 ラッキーナインが香港で頭角を現し始め、日本にも来日(2011年=セントウルS2着、スプリンターズS5着)。その名を知られるようになったころ、「ラッキーナインの弟が西浦キュウ舎にいる」と聞いて少し驚いた記憶がある。

 なんでも、この血統を有するダーレージャパンは当時、西浦キュウ舎と縁の深い三嶋牧場の関係者が切り盛りしており、その関係で、この血統が入るようになったのだとか。

 そのラッキーナインの弟サドンストームは2歳から8歳まで息長く短距離のオープン&重賞路線で活躍。その1歳下のティーハーフは9歳となった今年も高松宮記念で5着に入る健闘を見せているのだから恐れ入る。

「お母さんのビールジャントがえらいんですよ。父ストーミングホームであれだけ走る子を出すんですから」とはサドンストームティーハーフの担当者である深川助手。ちなみに、この2頭の姉レディオブパーシャと、その子供もずっと担当してきたというのだから、まさに“ミスター・ビールジャント”。当然、レディオブパーシャの子で、新潟2歳Sに出走するウーマンズハートの担当者でもある。

「新馬戦の時は北海道にいたんですけどね。先生から“2歳Sに行くから帰ってこい”って。先生も定年までわずかだし、来年を期待しているんだと思います」。深川助手によると「この血統は我が強いところを持っている」。そんな難しさのある血統を、上手になだめながら、息長く走らせているのは、まさに“ビールジャントの使い手”である深川助手の手腕だろう。

 この血統以外にも牝馬2冠馬カワカミプリンセスを担当するなど、豊富な経験を積んできた深川助手は、ウーマンズハートの可能性について「新馬の1戦だけではまだ分からない面もありますけど」と前置きしながらも、「スローとはいえ、あれだけの上がり(32秒0)を使える馬というのはなかなかいないですから。能力があるのは間違いないですよ」と。新潟2歳Sでは西浦キュウ舎最後の桜花賞を大いに意識させる勝ちっぷりを期待したい。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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