ラッキーナインが香港で頭角を現し始め、日本にも来日(2011年=
セントウルS2着、
スプリンターズS5着)。その名を知られるようになったころ、「ラッキーナインの弟が西浦キュウ舎にいる」と聞いて少し驚いた記憶がある。
なんでも、この血統を有するダーレージャパンは当時、西浦キュウ舎と縁の深い三嶋牧場の関係者が切り盛りしており、その関係で、この血統が入るようになったのだとか。
そのラッキーナインの弟
サドンストームは2歳から8歳まで息長く短距離のオープン&重賞路線で活躍。その1歳下の
ティーハーフは9歳となった今年も
高松宮記念で5着に入る健闘を見せているのだから恐れ入る。
「お母さんの
ビールジャントがえらいんですよ。
父ストーミングホームであれだけ走る子を出すんですから」とは
サドンストーム&
ティーハーフの担当者である深川助手。ちなみに、この2頭の姉
レディオブパーシャと、その子供もずっと担当してきたというのだから、まさに“ミスター・
ビールジャント”。当然、
レディオブパーシャの子で、
新潟2歳Sに出走する
ウーマンズハートの担当者でもある。
「新馬戦の時は北海道にいたんですけどね。先生から“2歳Sに行くから帰ってこい”って。先生も定年までわずかだし、来年を期待しているんだと思います」。深川助手によると「この血統は我が強いところを持っている」。そんな難しさのある血統を、上手になだめながら、息長く走らせているのは、まさに“
ビールジャントの使い手”である深川助手の手腕だろう。
この血統以外にも牝馬2冠馬
カワカミプリンセスを担当するなど、豊富な経験を積んできた深川助手は、
ウーマンズハートの可能性について「新馬の1戦だけではまだ分からない面もありますけど」と前置きしながらも、「スローとはいえ、あれだけの上がり(32秒0)を使える馬というのはなかなかいないですから。能力があるのは間違いないですよ」と。
新潟2歳Sでは西浦キュウ舎最後の
桜花賞を大いに意識させる勝ちっぷりを期待したい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ