今週は
キーンランドCが行われますが、このレースに出走を予定している有力馬について、馬場を踏まえながら、馬体的見地から考察していきたいと思います。
まずは馬場状態ですが、先週の札幌の馬場を見る限り、メインの
札幌記念で軽いタイプの
ワグネリアンが負けてパワータイプの
ブラストワンピースが完勝したように、洋芝らしくパワーが求められます。
また、先週からCコースが使われていますが、枠順や脚質による大きな偏りはありませんでした。力勝負と考えて良く、しっかりと筋肉が付いていて、体幹がしっかりとした馬を選んでいきたいと思います。
以上のようなことを踏まえ、有力馬の馬体を診断していきましょう。
アスターペガサスは500キロ近く馬体重がある馬ですが、コンパクトにまとまっています。重心が低めの箱型体型で、まさに短距離馬という感じです。ジャイアンツ
コーズウェイ産駒で、母系も
エンドスウィープの系統で筋肉量も豊富です。
京都で行われた
葵Sでは1分8秒0で走っているように軽い芝もこなせますが、函館適性が高いように本領が発揮されるのは洋芝でこそ。今回は札幌ですが、まったく問題はありません。馬体写真からは仕上がりも良さそうで、ここも好走できそうです。
2017年の
高松宮記念を勝った
セイウンコウセイ。一時期は調子を崩していましたが、馬体写真を見ると無駄肉が取れてグンと良くなっています。肩回りやトモの張りも良く、背中から腰に掛けてのラインも力強くなっています。6歳になりましたが、調子は上向き。筋肉の質が強く、洋芝も問題ないタイプ。ここ2走に続いて好走できそうです。
高松宮記念は枠順が悪かったにもかかわらず、正攻法の競馬に徹した
ダノンスマッシュ。4着に敗れましたが、人気を背負っていただけに、それも致し方なしといったところでしょう。前走は薬物問題で除外となり、少し間隔が空きました。
今回の馬体写真を見る限り、その影響は皆無といって良いでしょう。トモの筋肉が張り詰めていて、アバラもうっすら浮いて仕上がりも文句なし。もともとGI級の素質は持っていましたが、この秋の飛躍に向けて良い競馬ができそうです。
ハッピーアワーは
ハービンジャー産駒にしては無駄のない体つきで、つくべきところにキッチリと筋肉がついています。肩回りも力強いですし、トモの肉付きも良い感じです。
ハービンジャーの飛節は直飛になりやすいのですが、この馬については良い角度がついています。それでいながら力感は素晴らしいので、状態も良いと思います。立ち回り次第では強敵相手でもチャンスはあります。
リナーテは新馬を勝ってからモタつきましたが、ここにきてグングン成績を伸ばしてきました。牝馬ですが、馬体に重厚感が出てきて、非常にドッシリとしています。兄の
サトノダイヤモンドはすべてのパーツが長くて、長い距離に向いていましたが、こちらはそれよりもドッシリとしているぶん、短い距離に向いているようです。今回は相手が強化されるので、展開次第というところもありますが、デキは引き続き良いので、流れひとつで好走は可能でしょう。
他にも有力な馬はいますが、現状では
ダノンスマッシュを信頼し、
セイウンコウセイや
ハッピーアワー、
アスターペガサスなどを中心に考えたいと思います。馬場適性を重視すれば先週の
札幌記念のように必然と馬券は絞れると思います。あとは調教や枠順、当日のパドック次第です。
なお、今週のパドック直前情報の対象は新潟競馬場ですが、
キーンランドCのパドックはモニターでチェックして、レースの発走15分前くらいに『
ウマい馬券』の直前予想で出したいと思いますので、そちらにもぜひご注目下さい。
(文=古澤秀和)