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キャロットF所有馬が火花 条件戦では珍しい同門対決/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2019年09月04日(水) 18時00分
 今週から舞台を中山、阪神に移し、いよいよ秋競馬がスタートする。2歳戦も注目度がより増していく時期だが…。関東圏においては“期待馬は東京から”といったムードがあり、9月の中山の2歳戦はもうひとつ盛り上がりを欠くイメージを持つファンも多いのではないか。

 ところが、新馬戦のスタートが早まった昨今は、早めの賞金加算がクラシックを見据えたうえでの基本戦略となっており、夏に初勝利を挙げた有力馬たちが、秋の東京を待たずに2勝目を狙ってくるケースが増えた。

 その代表的な番組が土曜(7日)中山のアスター賞(1勝クラス、芝外1600メートル)。近年の勝ち馬には2015年メジャーエンブレム、17年ノームコアと後のGI馬が挙がる。中山マイルというオーソドックスな舞台設定も、先々クラシック、マイル路線のいずれを目指すにしろ、有意義な条件なのだろう。

 今年は6月の東京で新馬勝ちを決めたサクセッションがスタンバイ。鞍上がルメールにスイッチするとなると、一本かぶりの人気になりそうだが、そもそも登録が9頭に落ち着いた背景も、他陣営が対決を避けた節すらある。

 記者がサクセッションの存在感の大きさを強く印象付けられたのが、5月のオークス当日に行われたキャロットファームの会員向けパーティー。所属クラブは違えど、“アーモンドアイの国枝調教師”といえば、会員の枠を超え、衆目を集めるのは当然で、立食形式の会場では出席者が国枝調教師と言葉を交わそうと長蛇の列ができるほどだったのだが、その多くがサクセッションについての質問だった。

 デビュー日時や騎手、当時の馬の状態などについて繰り返し説明していた国枝調教師の横でその様子を拝見し、調教師の仕事の大変さを改めて思い知らされたと同時に、サクセッションに対する期待の大きさを肌で感じた次第である。

 デビュー戦は単オッズ1.9倍の圧倒的支持に応えて完勝。鞍上の福永は「トモがまだ甘い分、エンジンのかかりが遅かったけどね。とにかくセンスがいい」と評していたが、その点を国枝調教師に改めて聞くと「初めての競馬で(状況を)よく分かっていなかっただけ。エンジンがかかってからは、いい脚だったでしょ」。そして「まずは暮れの朝日杯(FS)が目標になるけど、先々は2000メートルくらいでも大丈夫だろう。(全兄クルーガーのように)オーストラリアに遠征できるような馬になってほしいね」と夢の膨らむコメントをしてくれた。

 クルーガーは3歳初戦の京成杯(3着)後、長期休養に入りクラシックとは縁がなかったが、早い時期から始動できたサクセッションなら、兄に追いつけ追い越せの活躍が期待できることだろう。

 一方、このアスター賞には同じキャロットファーム所有のヴェスターヴァルトがエントリーしてきた点も注目に値する。重賞などのビッグレースならともかく、条件戦での同一馬主の出走は、いずれも勝ち負けレベルにある場合は極力、避けられる傾向にあるからだ。

 ヴェスターヴァルトは新馬戦6着から連闘策に出た未勝利戦でハナ差惜敗。ここを勝っていれば函館2歳Sに出走するプランだったが、その接戦だった勝ち馬が函館2歳Sの覇者となったビアンフェなのだから運がなかったとするしかない。

「一戦ごとに真面目になって気持ちが走るほうに向いてきた。距離や外回りのコース形態もいいと思う。それに(3戦目の)未勝利を勝った後は涼しい札幌に置いたまま調整して、状態面もすこぶる良好だからね」と加藤征調教師。

 こちらは鞍上にM.デムーロを予定しており、勝算ありと見込んでの参戦なのだろう。

「同門対決」を避けるだけではレースの質の低下につながりかねず、強い馬同士がしのぎを削ってこそ、真の強い馬が誕生する。今週末は“熱い直接対決”を大いに楽しみにしたい。

(立川敬太)

東京スポーツ

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