強豪が多く集まりやすい翌週の
神戸新聞杯に比べると、
セントライト記念は
菊花賞トライアルとしてやや下に見られがちではある。だが、2015年の
キタサンブラック、2012年の
フェノーメノ、2009年の
ナカヤマフェスタと、ここを足掛かりとして中・長距離のチャンピオン街道を歩んでいく馬も出ており、直近の
菊花賞という大目標もさることながら、より先を見据えていく上でも重要なレースだと言えるだろう。
1.大型馬優勢
新潟開催となった14年を除く過去9年の成績を馬体重別で見てみると、480kg以上だった馬が7勝しており複勝率も23.6%と上々なのに対し、479kg以下は2勝で複勝率14.5%。中山2200mはアップダウンの激しいタフなコースであり、小柄で非力なタイプは割り引いて考えるべきだろう。
2.中山・小回り実績
ここ4年の勝ち馬の中で、
ジェネラーレウーノ、
ディーマジェスティ、
キタサンブラックは以前に中山の重賞を勝った経験があった。また、残りの一頭
ミッキースワローも未勝利で同コースを勝っていた。2-3着の好走馬も過去に中山・小回りでの実績があった馬が多数。逆に、それがなかった昨年3番人気の
ギベオンは13着、15年1番人気の
サトノラーゼンは7着に敗れている。
3.スピード勝負の傾向が強まる
09-13年の平均上がり3Fタイムが36秒1なのに対し、15-18年は35秒2。明らかに上がりにスピードが求められるようになってきている。それによりレースの性質も変わってきていて、以前は道中後方から早めに動いていく競馬でも通用するケースもそれなりにあったが、現在はある程度前々で運ばないと届かない場合が多い。
ザダルはデビュー以降3戦3勝と、まだ底を見せていない。また前走
プリンシパルSは狭いところを割ってグンと伸びたように、瞬時に加速する脚力と精神面の強さが噛み合った強い内容だった。ここまで重賞戦線で戦ってきた同世代と比較しても能力は遜色なく、2勝している中山に変わるのも問題ない。ここでも好走を期待できるだろう。