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デビューをスライド、延期させた良血 それぞれの事情/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2019年09月19日(木) 18時00分
 ハーツクライ産駒の大物マイラプソディ(牡・友道)が14日の野路菊Sを勝ち、重要な賞金加算に成功した。もっとも5頭立ての少頭数で未勝利馬もいたメンバー構成。結果よりも内容---。どれほどのインパクトを残して勝つかが重要だったわけで、2着グランスピードに5馬身差。

 残り2ハロンのラップが10秒7-11秒4の数字なら、先週の当コラムでぶち上げた「伝説の1ページ」となる可能性を広げたパフォーマンスと言えるだろう。

 何よりもうれしかったのは走るフォームがきれいだったことで、これは戦前に藤本助手から聞いていた「この馬はトモの使い方が上手なんですよ。なので、無駄のない走りができる。ひと言で言えば、走りのセンスがいいんですよね」の言葉を裏付けるもの。このような馬こそがダービーを狙える--。そう強く思った一日だった。

 POG取材が全盛だった4月。友道調教師が「均整の取れた馬体をしている」と絶賛していたのはディープインパクト産駒で、半姉に重賞4勝馬ルージュバックがいるポタジェ(牡)だったのだが、実は栗東に入キュウした当初はスタッフ評価が微妙だった。

 といっても、トレーナーの見込み違いだったわけではなく、前述したマイラプソディとは正反対の「まだ上手な走り方ができていない」ことがその理由。

 15日の阪神芝外1800メートルをルメールで予定していたスケジュールを、29日の中山芝内1800メートル(鞍上は川田)へ変更した背景もそこにあって、先週の追い切りに騎乗した大江助手は「こちらが促せば走るけど、促さなければ走らない。まだ走りが雑なんです。素質の高さは感じるので、出走させればそれなりの結果を出したと思いますよ。でも、精神的にも肉体的にも上がってきていない状況で実戦に向かうのは避けたかった。2週間の時間をもらったことで、走り方が良くなってきたし、今週と来週で態勢は整うんじゃないかな」とその経緯と現在の状況をこう説明する。マイラプソディとは違った意味で注目したい。

 予定をスライドしたといえば、今週の阪神芝内2000メートルに出走するはずだったGI2勝馬マリアライトの全弟ヴァーダイト(音無)は、1週前追い切りに騎乗した川田からゴーサインが出なかったため、週末の予定をキャンセル。放牧に出して成長を促すことになった。

「確かに少し物足りないなという感じではあったからね。まずは放牧に出して、改めてやり直すよ」と音無調教師。多少の無念さはあるようだが、あの時に無理をさせなかったから、現在の状況がある--。そんなことを言えるような展開になってほしいものだ。

 そんなヴァーダイトの離脱により、今週末にデビューする音無キュウ舎の新馬は、22日中山芝外1600メートルに出走するサトノジヴェルニー(牡)のみ。しかし、このシユーニ産駒が何げに好ムードだ。

「2000メートルくらいはこなして不思議のない母系らしいんだが、見た目は明らかに短距離でスピードを生かすタイプなんだよな。1週前は併せたミッキーブラックを追走して先着。時計(坂路4ハロン52.3-24.9-12.4秒)も良かったよ」と音無調教師。母系だけでなく、今年の仏ダービーを勝ったソットサスを出した父のシユーニも距離をこなして不思議のない種牡馬。

 しかし、栗毛で見た目はシユーニの父であるピヴォタルの影響を強く感じるものだ。豊富なスピードで高速ターフになっている現在の中山を一気に駆け抜けてもらいたい。

(松浪大樹)

東京スポーツ

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