「
スプリンターズS・G1」(29日、中山)
父子制覇に向けて態勢は万全だ。
ダノンスマッシュは栗東坂路で力強い走りを披露。1番人気で4着に敗れた
高松宮記念の無念を晴らし、ここから父と同じ王道を突き進む。
雄大な馬体を揺らしながら馬場入りした
ダノンスマッシュは25日、川田を背に栗東坂路を単走。四肢を大きく伸ばした豪快な走りを披露した。4F52秒3-37秒3-12秒0をマーク。川田は「札幌の時より、馬はだいぶしっかりしてきました。いい状態で本番に向かえると思います」と納得の表情を浮かべた。
右回りの芝6F戦は(4、1、0、0)と、ほぼ
パーフェクトな戦績。鞍上が「穏やかでしっかりと競馬を組み立てられるところがいい」と話すように、レースセンスが最大の武器だ。中山コースは初めてとなるが、安田隆師は「かえって坂があるほうがいいと思う」と自信を口にする。
「雰囲気やそぶりが似てきたなと思います。調教で落ち着いてる感じも。お父さんも春に負けて秋に花が咲いたので、そのあたりをまねしてほしいですね」と師は父子の姿を重ね合わせた。自身が管理した父
ロードカナロアは、4歳春の
高松宮記念で3着(1番人気)に敗れるも、同年のス
プリンターSを制覇。その後、国内外合わせてG1・6勝を挙げる名馬になった。
高松宮記念4着(1番人気)からの巻き返しを狙うスマッシュ。境遇もまた似ている。
「僕は川田騎手の師匠として、これまで彼に何もすることができなかった。
ダノンスマッシュでいいプレゼントができたら。1番になるように期待している」と指揮官は、師弟関係にある川田にエールを送る。強敵撃破で父子制覇へ-。孝行息子が偉大な父の蹄跡をなぞる。
提供:デイリースポーツ