スマートフォン版へ

条件戦で3連勝の勢い、重賞惜敗続く最強1勝馬 どちらが買いか取材で分かった模範解答/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年10月04日(金) 18時00分
 重賞で惜敗を続ける馬と、条件戦連勝で勢いのある馬が、一緒の舞台に立った時、いったいどちらが買いなのか?競馬記者になる以前から、悩むポイントだった。

 ライトユーザーからすれば、馬名を耳にしがちな前者に食指が動こうとしたところで、馬柱に1着が並ぶ上がり馬を見つけると、「ちょっと待てよ…」。思わずマークシートを塗る手が止まってしまう。今年の京都大賞典は、まだ競馬記者歴の浅い私に、そんな難題の模範解答を求める、格好の例題のようにも見えてくる。

 未勝利戦を最後に、勝ち鞍こそないものの、数々の重賞で強豪としのぎを削る“最強の1勝馬”エタリオウと、500万下からの3連勝で初重賞に挑むシルヴァンシャー。同世代ながら、対照的な戦歴でここにたどり着いた両4歳牡馬、果たしてどちらを買うべきなのか…。

 まずシルヴァンシャーの3連勝は中身も濃い。特に2走前(境港特別)に破ったメールドグラースがその後、連勝街道をバク進中。すでに重賞3勝を挙げているとなると、シルヴァンシャーもまた重賞タイトルを奪取できる能力は十分にも見える。当然、陣営からも威勢のいいコメントが出ていて「勝ち続けているのだから当然、勢いに乗ってますよね。馬も自信をつけているはずだし」と兼武助手。

 ただし、「ここが試金石。どこまでやれるか楽しみです」という締めのコメントから察するに、自信はあっても、あくまでチャレンジャーの立ち位置で臨む気持ちが表れている。

 対してエタリオウ宝塚記念9着惨敗は、おそらく天皇賞・春でのマクリ不発(4着)のダメージが残ったもの。勝手ながら参考外とさせていただく。それ以前の競走を振り返ると、フィエールマンにハナ差2着の菊花賞を筆頭に、惜しい競馬ばかり。もうひと押し何が足りないのだろうか? この疑問を友道調教師にぶつけると「やはり勝ちたい気持ちが足りなかったんでしょうね」と。

 教えてもらった話を要約すれば、もともと高い能力はあったが、気性の難しさがネックで、馬具の工夫など、厩舎スタッフの手厚いケアにより、常に重賞で勝ち負けするところまで持ってきた馬なのだという。それだけに“そろそろタイトルを”の気持ちも強かろう。

 素直に冒頭の悩みどころをぶつけてみたところ、「1着はなくても、重賞で強い馬を相手に際どい競馬を続けているほうが当然、そのクラスでの経験値という面で有利ですよね」と師は歯切れ良く回答してくれた。

 ちなみに今回は浜中騎手のテン乗りになるシルヴァンシャーに対し、エタリオウは前走に引き続き横山典騎手が手綱を取る。師いわく「クセがある馬」に対して、2度目の名手がどんな騎乗を見せてくれるのかも興味深いところだ。

 やはり、あらゆる意味での“経験”という面でエタリオウに一日の長がある、と判定したい。

(元広告営業マン野郎・鈴木邦宏)

東京スポーツ

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す