私は気象予報士という職業を生かし、季節馬激走予想を行っています。まずレース当日の気温を区分けし(※)、配当妙味のある季節馬を特定。さらにJRAの馬場発表をもとに馬場状態を解析、分類します。それらの独自情報を活用し、それぞれの気候・馬場に合った穴馬を抽出。ここでは、過去10年の気候成績から激走馬の傾向を分析。当日気候レベルを想定し、激走が期待できる馬を抽出しました。
(※)区分の仕方は12度未満の「寒」、12度以上18度未満の「涼」、18度以上25度未満の「暖」、25度以上30度未満の「暑」、30度以上を「酷暑」とした5段階
【1番人気が活躍する一方で激走馬も存在するレース】
まずは、過去10年の勝ち馬と人気の関係を見てみましょう。特筆すべきは、1番人気の馬が5勝、2着1回と好成績を残している点。1番人気で連対した6頭のうち5頭が、前走で勝ち鞍を挙げており、逆に1番人気で連対を外した4頭中3頭が、前走2着以下に負けていました。
また4〜9番人気も8連対、3着8回とマズマズの成績。その一方で、09年、12年、14年、16年と、2〜3年に1回のペースで10番人気以下の馬が馬券に絡んでいます。激走馬は10年間で12頭おり、11年、17年を除き1〜2頭のペースで出現しています。
以上のような点を踏まえて、注目ポイントを挙げていくと2つの点が浮上してきます。まず、ひとつめは「激走馬12頭中5頭が8〜9月に出走がある」という点です。
例えば、14年に8番人気で勝利したエアソミュールは8月に札幌記念を使っていましたし、11番人気ながら2着に食い込んだサンレイレーザーも、新潟の関屋記念を使っていました。その前年13年にはジャスタウェイが6番人気で2着していますが、こちらも前走は8月に行われた関屋記念でした。
もうひとつのポイントは「激走馬12頭中10頭が前走重賞で馬券圏外」だったということです。前述した例でみると、14年の勝ち馬エアソミュールは札幌記念5着、同2着馬のサンレイレーザーは関屋記念7着、ジャスタウェイは12年の毎日王冠でも12番人気で2着に突っ込んでいますが、その前走は日本ダービー11着というものでした。
毎日王冠で激走する季節馬の傾向として、「夏競馬を使っての参戦」、「前走重賞敗退からの巻き返し」という2点については、馬券を買う際に留意しておきたいところです。
(文=三宅誠)
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