先週の当欄でお伝えした、新馬戦の除外。先週の新馬戦では最も除外頭数が多いところで、10月6日(日)の新潟ダート1200mが17頭だった。この結果を受けてだろうか、10月13日(日)に東京ダート1400mの新馬戦が新設されることが発表になった。
これによって、3歳以上1勝クラスの東京ダート1400mが減ってしまったが、現状の出馬ラッシュに迅速な対応ができたのではないだろうか。ただ、今回のように「新馬優先」の対応ばかりだと、他に影響が出てしまう。
先週の京都では除外頭数がかなり少なくなったように、想定段階で空いている番組を確認して、除外になることを避けるのも除外対策のひとつ。施行側だけでなく、出走させる側の柔軟な対応も重要になってくるのではないだろうか。
【10月13日(日) 京都芝2000m】
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ディープキング(牡、
父ディープインパクト、
母ダリシア、栗東・
藤原英昭厩舎)
2018年セレクトセール1歳にて、8000万円で落札された
ディープインパクト産駒。全姉
サトノダムゼルは未勝利戦を初出走で制し、その後も破竹の勢いで3連勝という、注目の3歳牝馬だ。
本馬は6月5日のゲート試験に合格した後、一旦放牧を挟んで、9月から栗東に在厩して、追い切りを積んでいる。9月25日にはレースで騎乗予定の
武豊騎手が跨り、CWでの併せ馬。1勝クラスが相手だったが、追走して楽に並びかける動き。10月3日の1週前追い切りでは、CWでの併せ馬に先行して、新馬に先着している。追うごとに素軽さが出た動きを見ると、当然、初戦から期待したくなる。
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ホウオウエクレール(牡、
父ブラックタイド、
母タマヒカル、栗東・
宮徹厩舎)
祖
母トーワナゴンは芝で5勝を挙げているものの、母系からは目立った活躍馬が出ていないという現状。しかし、本馬は
父ブラックタイドの良いところを受け継いだのか、追い切りでの動きが目立っている。
9月26日の坂路では4F52.3秒とスピードがある動きを見せていたが、それ以上に評価できるのが、10月4日のCW。
ウインシュトロームとの併せ馬だったが、道中で先行追走とちぐはぐになるシーンがありながら、最後の直線では一杯に追う相手に対して、楽な手応えで先着。6F81.2秒はなかなか速い時計だし、まだフワッとしながら走っていて、この数字なら、まだ伸びしろもある。鞍上は10月4日の追い切りにも騎乗した
菱田裕二騎手が予定されている。
【10月13日(日) 東京芝1400m】
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タケルラスティ(牡、
父スクリーンヒーロー、
母クイックメール、栗東・
矢作芳人厩舎)
2017年セレクトセール当歳では1400万円で落札されているが「セリ当時から馬体の良さは目立っていましたが、母は気が悪かったので、気性的なことを心配していましたが、今のところは問題ないですね」と
矢作芳人調教師。
栗東へ入厩してからの調教でもしっかり動けており、9月25日の坂路では、4F53.0秒、2F24.8秒と速い時計をマーク。10月2日のCWでは7Fから時計になるような道中速めのラップだったが、全体は6F82.4秒、終いは1F12.5秒でまとめることができている。兄姉はダートで勝ち鞍を挙げているが、調教でのスピードを見るかぎり、芝でも楽しみ。鞍上は
坂井瑠星騎手が予定されている。
【10月14日(月) 京都芝1400m(牝)】
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エールヴィフ(牝、
父ダイワメジャー、
母サンドスラッシュ、栗東・
橋口慎介厩舎)
2017年セレクトセール当歳にて、1500万円で落札された
ダイワメジャー産駒。半姉
プリモプレミオ(父
ヴィクトワールピサ)は阪神芝1600mで勝ち上がっているが、本馬もマイル前後でスピードを活かせそうな素軽い動きを見せている。
10月3日のCWでは、レースで騎乗予定の
松山弘平騎手が跨って、3頭併せを最後方から追走。最後は内から力強く抜け出してきて、最先着。時計は6F80.8秒、1F11.8秒と速く、瞬発力というよりはスピードの持続力に優れたタイプ。デビュー戦の条件は最適かも知れない。
(取材・文:井内利彰)