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ハイペースで控えたコーラルツッキーが実力発揮/エーデルワイス賞回顧(斎藤修)

  • 2019年10月11日(金) 18時00分
 JRA4頭はいずれもダート1勝馬、地元勢は門別で無敗の2頭が人気の中心となったが、今年のホッカイドウ競馬2歳戦線は牡馬も含めてここまで重賞2勝馬がいないという混戦。流れに乗って能力を発揮できた馬がゴール前で勝ち負けを演じるという結果だった。

 抜群のスタートを見せたのはクモキリだったが、内枠に入った1番人気のプリモジョーカーは引くわけにいかずハナを主張。これで前はペースが速くなり、前半3Fが33秒9。3コーナーへ向けて徐々に隊列が縦長になったことでもそれがわかる。

 4コーナーで脱落したクモキリは最下位。プリモジョーカーも直線半ばでさすがに行き脚が鈍り、2頭の直後を追走していた人気2頭のもう1頭、アザワクが先頭に立ったが、これを差し切ったのがコーラルツッキーだった。

 コーラルツッキーは1000mのフルールCを制していたが、続く前走のリリーCで勝ち馬から1秒5差の7着、デビュー以来初の惨敗を喫していたことで7番人気(単勝26.3倍)という低評価。これまでの3勝がすべて1000mということもあった。ただ前走の敗戦はスタートのタイミングが合わず後方からとなってのもの。勝ったプリモジョーカーは単騎でマイペースの逃げ切りだった。それが一転、今回は前述のようなハイペース。コーラルツッキー栄冠賞で3着に好走していたように、陣営にはむしろ1200mに苦手意識はなく、互角のスタートを切っても控えざるを得なかった外枠は、むしろ展開的に助けになった。レースの上り3F=38秒4というところ、37秒5という後半に使える脚が引き出されての勝利となった。

 一方でもっとも強いレースをしたのが、半馬身差で2着だったアザワク。この馬も前走では致命的な出遅れをしていたが、上り36秒0という直線一気で差し切っていたため差のない2番人気。今回はハイペースの前2頭を直後で追いかけ、それで2着はむしろよく踏ん張った。ここまで門別負けなしの3勝はいずれも1000m戦で、掛かっていって最後の踏ん張りがきかないところが課題だった。それが今回は距離延長でもハイペースになって折り合ったぶん、最後の粘りにつながった。

 さらに半馬身差で3着に入ったのが11番人気(単勝88.7倍)のミナトノヨーコ。先行集団からはやや離れた中団を追走したぶん、上り37秒0という脚を使って追い込んだ。ここまで1000mのアタックチャレンジで1勝を挙げたのみ。そのときはダッシュがつかず最後方から。行き脚がつくと3コーナーから大外を回していって直線差し切るという荒削りなレースぶり。今回は前がハイペースになったことで、本来持っている能力がうまく引き出された。

 JRA最先着はニシノミンクスで4着。ミナトノヨーコよりさらにうしろを追走し、上り36秒5。ほとんど直線だけの競馬で、3着馬とは惜しくもハナ差だった。

 これで地元北海道勢は、2017年ストロングハート、18年アークヴィグラスから3連勝。経験豊富な地元勢に対して、JRA1勝の実績では、それがよほど強い勝ち方でもない限り、ここで勝つまでは難しい。逆にその程度の実績のJRA勢に勝たせるわけにいかない、というのがホッカイドウ競馬の2歳重賞戦線でもある。

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