まず展開を考えると、逃げる可能性があるのは
コントラチェックと
メイショウショウブの2頭ですが、
コントラチェックが先手を取ることになりそうです。
メイショウショウブは前走、距離を理由に控えた競馬をしており、さらに200mの距離延長だと先手を取る可能性は著しく低いでしょう。したがって、そのような状況ならば、よほど逃げ馬が暴走しない限りはスローペースの競馬が濃厚です。
先週のレースを見ても思った以上の高速馬場ではなく、やや時計が早めの部類に入る馬場状態。さらに台風の影響で雨が降れば、例年以上に時計が掛かるレースとなるでしょう。近5年で見ると、良馬場で1分56秒台と57秒台が1回ずつで58秒台が2回。重馬場だと2分を要していますが、今年は1000m通過が60秒台で勝ち時計が2分フラット付近よりやや遅めの時計も十分にありそうです。
では、有力馬の分析にまいりましょう。1番人気が予想される
ダノンファンタジーの前走は、この馬らしい安定感のある競馬が最大限に活きるレースで、阪神外回りのコースを完全に手の内に入れる川田騎手の見事な騎乗でした。京都内回りも自在性のある競馬ならばカバー可能で、抜けた強さはないものの崩れない力はピカイチ。対抗もしくは3〜4番手までには必ず取り上げたいところで、雨の影響を受けた馬場もこなせるはず。
クロノジェネシスの
オークスは最後にバタッと止まるレースでしたが、この馬らしい競馬で価値のある3着でした。休み明けぶっつけ本番が一番の不安要素で、距離やコース、馬場などは正直ベストに近い条件といっても良いでしょう。決して追い切りの動きが悪い訳ではありませんが、やはり一度使っている馬と比較すると、やや評価を落とさざるをえません。
コントラチェックの前走は、自分の形に持ち込めなかったうえに速い流れが響く敗戦。力負けでの大敗ではありません。今回は楽に先手を取れそうなメンバー構成で、距離短縮で内回りコースならば良い勝負できるイメージも湧きます。雨に関しても問題なさそうで、
フラワーCのようにスローに落としながらやや離した逃げができれば、脅威的な1頭といえるでしょう。
続いて、
カレンブーケドール。前走は4角で後ろを待つ競馬、やや折り合いを欠くレースで休み明けを考えると仕方のない面もある敗戦でした。
オークスでの走りを見ても一線級のメンツにも通用可能で、中山での走りを見る限り、京都内回りへの対応も問題なさそう。京都に乗り慣れてない騎手騎乗がやや不安要素ですが、2、3着は十分に圏内の1頭です。
エスポワールの前走はメンバーに恵まれた部分もありましたが、重馬場を物ともしない競馬は素直に評価できるレースでした。年初には
プリンシパルSで2着だった
エングレーバーと互角以上の走りを見せており、条件も問題ないここは期待できるはずです。ただし、間隔が開いてのレースとなるので、やはりGIでは相手候補の1頭までの評価が妥当といえるでしょう。
パッシングスルーは
紫苑Sを制しましたが、外枠など条件がすべて揃っていた印象。この馬の良さが最大限に生きる競馬でした。
フローラSや
シンザン記念の走りを見てもGIで勝つにはワンパンチ足りないので、雨こそプラス材料になりますが、強調ポイントに欠ける1頭といえます。場合によっては無印も検討したいところで、同組ならば
カレンブーケドールを上に取りたいですね。
3〜5番人気あたりが予想される
ビーチサンバですが、前走は外枠がプラスに働き、結果的に2番手から運ぶ最高の展開でした。それでも後ろに差されてしまったように、距離延長と今回は前に行けないことを考えれば評価を下げることになりそうです。基本的には掲示板もしくは入着に留まりそうで、こちらもあまり重い印は打てません。
一方、密かに期待したいのが
サトノダムゼル。3連勝で勢いに乗っており、穴馬としてはピッタリ。デビューからの走りを見ても坂のある中山よりも京都などのほうが条件としてはベストで、内回りで自在性のある競馬も魅力的です。さらに、近2走で乗り慣れた騎手ならば前走のようなレースも可能。
コントラチェックを早めに潰しに行くような積極的な競馬ができれば、底を見せていない点を踏まえてもアッと言わせる場面がありそうです。
安定感で取るとすれば
ダノンファンタジー軸もアリですが、やはり台風の影響で重馬場の可能性もある以上、穴目の馬から攻めたい気持ちも大いにあります。ただし、穴で狙える馬も数に限りがある以上、
ビーチサンバや
パッシングスルーの評価を大幅に落として、狙える
サトノダムゼルや
エスポワールなど底を見せていない馬に注目したいところです。
もちろん、土曜日の馬場や当日の天候にも注視する必要があるので、ギリギリまで考慮した上で最終的な予想を組み立てる予定です。雨で難解になりそうな今年の
秋華賞は攻めた予想で勝負するつもりなので、ぜひ枠順確定後の最終決断に期待してください。
(文=倉本匠馬)