明るい陽が射すなか、稍重まで回復した京都芝2000mを舞台に、第24回
秋華賞のゲートが開いた。
最内枠から1番人気の
ダノンファンタジーが好スタートを切った。
ビーチサンバ、
コントラチェックらがそれをかわし、1コーナーへと入っていく。
追っつけ気味に
北村友一の
クロノジェネシスが出て、
ダノンファンタジーの2馬身ほど後ろの馬群のなかを進む。
「流れに乗っていきたかった。後手だけは踏みたくなかったので、理想的なポジションでした」と北村。
向正面で
ビーチサンバがハナを取り切り、差なく
コントラチェックがつづく。
3馬身ほど後ろの3番手に
ダノンファンタジー、そこからさらに3馬身ほど離れたところを
クロノジェネシスは抜群の手応えで追走する。
前半1000mは58秒3。それを告げる実況に場内が沸いた。
この速い流れのなか、
クロノジェネシスは楽に押し上げ、斜め前に
ダノンファンタジーを見ながら4コーナーに入った。
「前にダノンがいて、いつでも抜け出せる手応えだったので、自信を持って追い出しました」
そう振り返った北村は、直線入口で
ダノンファンタジーの外に持ち出し、
ゴーサインを送った。ラスト200mではまだ先頭の
ビーチサンバから3馬身ほど遅れていた
クロノジェネシスは、そこから別次元の末脚を繰り出し、内から並びかけようとしてきた。
カレンブーケドールを2馬身突き放し、先頭でフィニッシュ。昨年の
阪神ジュベナイルフィリーズで2着、今年の春の二冠でともに3着に惜敗した悔しさを晴らした。
ダノンファンタジーは4コーナーを左手前で回っていたように、苦しいレースとなり、8着に終わった。ガス欠したように見えたということは、やはりベストはマイルなのか。
2着の
カレンブーケドールは
オークスの2着馬で、3着の
シゲルピンクダイヤは
オークスこそ12着に大敗したが、
桜花賞では2着になった実力馬だ。
そのなかから突き抜けた
クロノジェネシスの強さは本物だ。先々が楽しみな、新女王が誕生した。
(文:島田明宏)