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【勝負の分かれ目 秋華賞】強い上位馬を突き放した。先々が楽しみな新女王が誕生

  • 2019年10月13日(日) 20時00分
 明るい陽が射すなか、稍重まで回復した京都芝2000mを舞台に、第24回秋華賞のゲートが開いた。

 最内枠から1番人気のダノンファンタジーが好スタートを切った。ビーチサンバコントラチェックらがそれをかわし、1コーナーへと入っていく。

 追っつけ気味に北村友一クロノジェネシスが出て、ダノンファンタジーの2馬身ほど後ろの馬群のなかを進む。

「流れに乗っていきたかった。後手だけは踏みたくなかったので、理想的なポジションでした」と北村。

向正面でビーチサンバがハナを取り切り、差なくコントラチェックがつづく。

3馬身ほど後ろの3番手にダノンファンタジー、そこからさらに3馬身ほど離れたところをクロノジェネシスは抜群の手応えで追走する。

前半1000mは58秒3。それを告げる実況に場内が沸いた。

この速い流れのなか、クロノジェネシスは楽に押し上げ、斜め前にダノンファンタジーを見ながら4コーナーに入った。

「前にダノンがいて、いつでも抜け出せる手応えだったので、自信を持って追い出しました」

そう振り返った北村は、直線入口でダノンファンタジーの外に持ち出し、ゴーサインを送った。ラスト200mではまだ先頭のビーチサンバから3馬身ほど遅れていたクロノジェネシスは、そこから別次元の末脚を繰り出し、内から並びかけようとしてきた。

 カレンブーケドールを2馬身突き放し、先頭でフィニッシュ。昨年の阪神ジュベナイルフィリーズで2着、今年の春の二冠でともに3着に惜敗した悔しさを晴らした。

ダノンファンタジーは4コーナーを左手前で回っていたように、苦しいレースとなり、8着に終わった。ガス欠したように見えたということは、やはりベストはマイルなのか。

2着のカレンブーケドールオークスの2着馬で、3着のシゲルピンクダイヤオークスこそ12着に大敗したが、桜花賞では2着になった実力馬だ。

そのなかから突き抜けたクロノジェネシスの強さは本物だ。先々が楽しみな、新女王が誕生した。

(文:島田明宏)

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