2連勝で
菊花賞に駒を進める
ヒシゲッコウ(牡3・美浦・
堀宣行)について、
上原佑紀調教助手が共同記者会見に臨んだ。
(今朝の追い切りについて)
「先週しっかり負荷をかけられていますし、この馬は前半の行き脚が少し鈍いところがありますので、今週はそこを重点に修正したいということで追い切りをしました。前にいた馬と離れてしまったのですけど、この馬なりにはしっかり動けていましたので、内容は悪くなかったと思います」
(前にいた馬との差が詰まりそうで詰まらなかったが、そのあたりは?)
「本来であれば併せ馬が理想でしたが、ゴール後もしっかり追っていて負荷は十分かかっていますので、許容範囲だと思います」
(ここまでの仕上がり具合は?)
「5月からずっと在厩で調整していまして、北海道で函館、札幌と1戦ずつ(ともに1着)しまして、1戦ごとに内容が良くなっています。
札幌の
阿寒湖特別(2勝クラス)を終えて裏函(札幌開催時に函館で調整)に行き、その後は
菊花賞に直接向かうのか、
セントライト記念を1回挟むのかというところで、馬の状態の把握と賞金的に
菊花賞に直接行けるかどうかの見極めを行いましたが、馬は良い状態をキープしていて
菊花賞にも直接行けそうだということでそのまま在厩で調整してきました。
良い意味で調子の波がそんなにない馬なので、良い状態を維持できています」
(自信を持って
菊花賞に直行という判断に?)
「この馬の兄弟に
ステルヴィオ(2018年
マイルCS優勝)が父親違いでいるのですが、この馬に関してはデビュー前から長距離に適性を見出していたので、その通りのローテーションでずっと長い距離を使ってきました。前走でいきなり600m延ばしましたがそれにも難なく対応してくれたので、かなり長距離適性は高いと踏んでいます。前回乗ってくれた
ルメール騎手も長距離に適性あると仰ってくれたので自信を持って
菊花賞に臨めますし、良い状態で行けそうなので楽しみにしています」
(具体的にどのあたりに長距離適性を感じたのか?)
「心拍数や調教後の呼吸など余裕を感じる部分がもちろんあって、そのあたりで長距離適性があるとは思っていましたが、1番僕たちが感じていたのは気性面です。調教中もムキになったり熱くなるところがないですし、競馬でも後ろでじっと我慢していられます。調教の段階でそういう面が早くから見えていたので、長距離適性があると考えていました」
(本番に向けてこの後はどのような調整を?)
「良い状態をキープできているのですが、輸送の後に飼い葉が少し落ちるところがあります。それは僕たちも把握していることなので、できるだけ事前に準備をして良い状態で本番を迎えられるようにいろいろ工夫していきたいと思っています」
(本番で力を出すのに理想の形は?)
「勝った3戦ともすべて後ろからの競馬をしていますが、これがこの馬の1番得意な
スタイルです。この馬の1番の長所は、折り合いに問題がなくて道中全く無駄なエネルギーを使わないところです。その分最後に末脚をしっかり伸ばせますので、それが最大限生きるような展開になれば、チャンスは十分あるかなと考えています」
(今回はスミヨン騎手が騎乗するが?)
「先ほど言ったようにこの馬の良いところ、特に最後の末脚を十分生かせるような競馬をしてほしいですが、世界的なトップジョッキーですし、ウチの厩舎でも
キンシャサノキセキなどで重賞を勝っていて、調教師との間に信頼関係が出来上がっています。特に3000mへの対応も全く心配していませんし、騎手に関しては何の心配もないので、すごく楽しみにしています」
(輸送の予定は?)
「土曜日を予定していますけど、追い切り後の状況をよく把握してから、最終的に決定します」
(最後にファンにメッセージを)
「先ほどもお話ししたように、この馬に関しては長距離適性はかなりあると踏んでいます。以前は調教中やレース中に少し集中力を欠く場面があったのですけど、だいぶ精神面も充実してきて、
菊花賞の3000mの舞台はこの馬にはピッタリなのではないかと思っています。鞍上もスミヨン騎手ですし、非常に楽しみにしています。ファンの皆様もどういう競馬をするのか楽しみにしながら応援してもらえたらと思います。よろしくお願い致します」
(取材・文:佐々木祥恵)