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マジックキャッスルの雰囲気が妙にいい/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年10月31日(木) 18時00分
 天皇賞・秋の優勝会見で発した国枝栄調教師の言葉は、アーモンドアイの本質を突いた名言だったと思う。

「すごいって言うか、驚いた。おっかないって言うか...」

 規格外というより、もはや別次元なのだろう。戦前にクリストフ・ルメールが「80%」と伝えたように、仕上げは“やむを得ず”のトライアル仕様。1週前の時点では「◎を打てない」と感じたほどだ。それでもフタを開ければ、他のGI馬9頭を問題にしない3馬身差の圧勝...。

 人知をはるかに超えた力----。それが他でもない“アーモンドアイ級”ということだろう。引退のカウントダウンが迫る中、前走が日本でのラストランになる可能性もあるだけに、多くのファンの眼前で見せた素晴らしい走りには、感謝と敬意の念を抱かずにいられない。

 さて、GIシリーズの谷間になる今週も、引き続き注目するのは国枝厩舎。というのも、GIIIファンタジーSに出走予定のディープインパクト産駒マジックキャッスルの雰囲気が妙にいい。

「全体的に硬さがあって、走りもあまり弾んでいないんだよねぇ」

 番頭格の鈴木勝美助手が渋い顔でこう伝えたのは、クビ差2着に惜敗した前走・サフラン賞(中山芝8ハロン)当時。小気味いいピッチ走法で後続に4馬身差をつけた初陣(福島芝6ハロン)も短距離向きの印象を残したが、どうしてどうして...。距離延長の前走も新潟2歳S(0秒4差)、アルテミスS(0秒2差)ともに3着のビッククインバイオを余裕で捕らえたのだから奥がある。

「一度使った今回は柔らかみが出て、むしろ馬にフレッシュ感があるんだよね。当初は俺もスプリンターのイメージだったけど、稽古を積むにつれて距離が持ちそうな印象に変わってきた」(同助手)

 血筋もあろう。母ソーマジックは中山ダ6ハロンの未勝利戦で初勝利を挙げた後、春菜賞(東京芝7ハロン)→アネモネS(中山芝8ハロン)を連勝してGI桜花賞も3着と健闘。その姿をなぞらえるように、娘もマイラーへの変身をたどる。

「競馬が上手でゲートも遅いほうじゃないが、今回は慌てて位置を取りに行かなくていいかな。しまいを生かす競馬でも十分チャンスがある馬だと思う」と同助手。

 GI制覇で活気づく国枝厩舎、その“アーモンド効果”に今週も期待しよう。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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