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【勝負の分かれ目 アルゼンチン共和国杯】両親の背中を知る横山典弘の理想的なエスコートで、良血馬が重賞初制覇

  • 2019年11月03日(日) 19時20分
 第57回アルゼンチン共和国杯で、果敢にハナを切ったのは、松岡正海が騎乗する障害界の絶対王者・オジュウチョウサンだった。最後の瞬発力勝負になって10着に敗れた前走・六社Sの反省から、自分で競馬をつくり、後ろになし崩しに脚を使わせ、底力勝負に持ち込む算段か。

 横山典弘が乗る2番人気のムイトオブリガードは好位3、4番手の内で脚を溜めている。

 ターフビジョンに表示された1000m通過は1分2秒0。思いのほかゆったりとした流れになった。

 オジュウチョウサンが先頭のまま、4コーナーから直線へ。オジュウチョウサンの手応えには、前走より余裕があるように見えた。

 オジュウチョウサンは、鞍上の叱咤に応え末脚を伸ばす。簡単には後続に呑み込まれない。

 ラスト400m地点。オジュウチョウサンがまだ先頭だ。が、さすがに苦しくなり、内外から他馬に並びかけられる。

 そのなかでも最も勢いがあったのが、オジュウチョウサンの内に進路を取ったムイトオブリガードだった。ラスト200m地点では体ひとつ抜け出していた。

 父ルーラーシップにも、母ピサノグラフにも騎乗経験のある横山の右ステッキに応え、先頭でゴールを駆け抜けた。昨年1番人気で2着に敗れた雪辱を晴らし、見事、重賞初制覇を遂げた。

 2着タイセイトレイルを1馬身1/4突き放す完勝だった。

「思い描いていたとおりのレースができました。1頭になるとふわふわするところがあるけど、今日は一生懸命走ってくれました」と横山。

 祖母はマイルCSなどを勝った名牝シンコウラブリイ。そこにサンデーサイレンスルーラーシップの血が入って中・長距離での適性を得た良血馬の今後が楽しみになった。

 なお、オジュウチョウサンはブービーの12着に敗れた。もっと速い流れをつくりたかったようだが、行きっぷりが今ひとつで、自分向きの流れをつくることができなかったようだ。掲示板に載った5頭がみな33秒代で上がる流れになったなか、自身は35秒4の脚しか使うことができなかった。

(文:島田明宏)

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