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【エリザベス女王杯】ドラマのヒロインは…大人になったスカーレット/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年11月06日(水) 18時00分
 無敗のオークスラヴズオンリーユーに、秋華賞クロノジェネシス。両3歳馬が注目を集める第44回エリザベス女王杯(10日=京都芝外2200メートル)の勢力図に異を唱えるのが「トレセン発(秘)話」火曜担当の高岡功記者だ。古馬の中にこそ、今が旬の馬が…。ついに本格化なった、あの馬のSuperflyを見逃すな!!

 スカーレットカラーには府中牝馬Sを制した直後から、天皇賞・秋への参戦プランが持ち上がった。が、程なくして「レース後の馬体の戻りが悪かった」(高橋亮調教師)ことから、同レースの出走回避を決断。エリザベス女王杯に矛先を向けることになった経緯は、多くの方がご存じかもしれない。

 ここで大事なのは、この一連の動きをどう受け取るかだ。「やはり、あれだけの脚を使った後だし、疲れが出たんだろう」とマイナスに捉える見方も可能だが…。結局、やめたとはいえ、「中1週で再度の東京遠征プランが出るほど、馬がしっかりした」が“正解”なのである。

 担当の山下助手いわく「若いころはカイバ食いの悪さや体質面の弱さがあって、レース後の1週間は運動とプールに行くことぐらいしかできなかった」

 オークスをフレグモーネで回避し、秋華賞は跛行で出走取り消し…GI2戦の“スクラッチ”を見ても、当時の“弱さ”がお分かりいただけるだろう。そう、そんな馬に中1週での東京再遠征プランが出たこと自体がある意味、驚異的なのだ。

「3歳時に比べて体重もだいぶ増えましたし、トモの肉の付き方なんて、もう別馬みたいですよ」と山下助手。そんな成長ぶりはしっかりレースにも表れている。

 府中牝馬Sは稍重施行ながら、前週の毎日王冠(良)と0秒1差に迫る1分44秒5の好タイムで走破。0秒3差3着に敗れたラッキーライラックの松永幹調教師は、勝ったスカーレットカラーの強さに脱帽したという。

「ウチの馬は目標にされてしまった部分もあったにせよ、力は出し切ってくれたと思うんだ。あれは勝ち馬の決め手がちょっとすごかった。しまいが速くなる展開で、あれだけの脚を使われては…。もう仕方がないよね」

 レースの前半4ハロンは46秒7。よどみないペースで流れながらも、後半4ハロンも46秒2と落ち込むことなく“加速”を続けたこの府中牝馬S。数字的にもハイレベルだったことは疑う余地がないが、そんなレースで、4角14番手からレースの上がりを1秒1も上回る33秒2でぶっこ抜いたのだから、松永幹調教師が言うようにスカーレットカラーが強過ぎたのだ。

 実際、2〜6着までは4角6番手以内の馬が占めていたことを考えれば、「展開が向いた」と片付けることには無理がある。

「以前は長くしぶとい脚を使うイメージだったけど、近走はちょっと違ってきましたね。前走にしたって3日前には台風ですごい大雨が降ってましたから、馬場は決して良くはなかったはず。それでも、あの勝ち時計なんですから」(山下助手)

 ラヴズオンリーユークロノジェネシスの両3歳GI馬に対抗し得る古馬筆頭はスカーレットカラーで間違いなし。すでに坂路野郎の中ではエリザベス女王杯の“構図”がしっかりと固まっている。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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