阪神JF以来、
ラッキーライラックが次にGIを勝つのはいつかいつかと待ちわびているのですが…。なかなか実現せずに、あっという間に丸二年の月日を迎えようとしています。
人気になって善戦はするが、勝てない。それがこれまでの
ラッキーライラックでした。でも、今回は違う。そう思えて仕方ないのです。
ラッキーライラックの中にある、父である
オルフェーヴルから受け継いだ“激しさ”をどのようにいかしていくのか。これは陣営にとっても大きな課題でありましたが、それが今、新たな局面を迎えようとしているからです。
「
オルフェーヴル産駒特有の気性を悪い方に出さないために、時間をかけてしっかりと
ラッキーライラックと向き合ってきました。精神的に燃え過ぎないように、調教では前の馬をとらえたらそれ以上は無理させないように教えてきました。
でも、ここにきて
ラッキーライラックはすごく精神的に成長しています。2歳時は調教時間が普段と変更になる土曜日になるとそれを気にしてカイバを食べなくなるなど些細なことをすぐ気にする馬でしたけど、今ではそういったことはなくなりドッシリと構えられるようになりました」と持ち乗りの丸内助手。
このように
ラッキーライラックが精神的に大人になったことで、調教にも良い変化が出ているのです。
「今回、1週前追い切りで初めて目一杯追って仕上げています。いままでそうしてこなかったのは、調教で極限の状態にしてしまって
オルフェーヴル産駒の激しさが悪いほうに出る恐れがあったからです。
でも、いまのラックなら調教でそういった状態になっても自分を保っていられるとみて、手加減せずにやりました。幸い、その後も燃え過ぎるなどラックの精神面が悪いほうには出ていません。ここまで待った甲斐がありました。いまの
ラッキーライラックならレースでも燃え過ぎることなく、最後まで走り切ってくれるのではないかと思います」(丸内助手)
ラッキーライラックが最後に勝ったのは3歳春の
チューリップ賞でした。今回、それ以来1年8か月ぶりの勝利が手にできるのではないか!?という期待に胸が高鳴ります。
(取材・文:花岡貴子)