「マイルCS・G1」(17日、京都)
遅れてきた大物が、一気の頂点獲りを狙う。兄は17年ダービーなどG12勝の
レイデオロ。デビュー時から大きな期待をかけられてきた
レイエンダが、紆余(うよ)曲折を経て、ようやくたどり着いたG1の舞台。自慢の豪脚を繰り出して、初挑戦初Vの離れ業を成し遂げる。
レイエンダは12日、朝一番の美浦坂路で真っ先にコース入り。真一文字に駆け上がるフォームにブレはなく、鞍上の意のままに動いて折り合いもバッチリ。4F59秒2-14秒9をマークして、翌日の追い切りに備えた。
騎乗した津曲助手は「変わらず順調で、馬に活気がありますね。気温が下がり、馬体の張り、毛ヅヤが一段とさえてきて、大きな上積みを感じる」と、大舞台に向けて万全の調整過程を強調した。
前哨戦の富士Sは、4角15番手から豪快に追い込み、今年のヴィクトリアM覇者
ノームコアに半馬身差の2着。藤沢和師は「
新潟記念は不利もあったし、度外視していい。前走は最後の脚が良かったな。外枠だから無理をせずにあの形にしたんだろうけど、ジョッキーは自信があったと言っていたよ。勝った馬が強かったということ」と振り返った。
兄
レイデオロは17年ダービーと昨年の
天皇賞・秋を制してG1V2。全兄弟とあっていろいろと比較されるが、指揮官は同馬について「1800メートルくらいがベストなんじゃないかな」と距離適性は兄より短めと考えている。
今回は最適とも言える舞台でのG1初挑戦。「京都コースは初めてになるけど、マイル戦を続けて使えるのはいい。前走のような脚を使えれば勝負になる」と力が入る。新馬戦後に骨折が判明し、一度は狂った青写真。それでもはい上がってくるのが血統馬の底力。遅れてきた大物が、一気の頂点獲りをもくろむ。
提供:デイリースポーツ