展開面をみてみると、2歳戦にしては逃げ馬が少ないメンバー構成で、逃げる可能性があるのは
エレナアヴァンティと
ヒメサマのみ。後者は無理に先手を取るタイプではないので、前者がスッとハナを切る形となりそうです。
例年は距離延長組が揃ってペースも流れやすい一戦ですが、今年はスローペース濃厚といえるでしょう。ただし、高速馬場の影響もあって800mは48秒を切ってくる可能性は高そうです。3〜4コーナーから直線に向けて徐々にペースが上がって、直線の上がり勝負に。狙いは、前目で運ぶ先行馬と瞬発力勝負が得意な差し馬になります。
では、有力各馬を分析していきましょう。まずは、人気が予想される
リアアメリア。前走
アルテミスSは休み明けと仕掛けを待つ競馬ながら、大外一気が決まる見事なレースでした。ただ今回は初の多頭数に加え、スタートに不安のある馬で力自体は上位も自分との戦いとなりそうです。上位評価候補の1頭ですが、過剰人気するようであれば相手に回したいところです。
前走の
新潟2歳ステークスでは、他馬を圧倒する差し切りを披露した
ウーマンズハート。切れ味の鋭さは、かなり見どころがありました。また、自在性のある競馬かつ多頭数を前走で経験した点もプラスに働きそうで、2着馬との実力比較を考えてもGIでも通用する逸材です。ただし、休み明けは気になりますので、最終追い切り含めた体調面と初の右回りは注視したいところです。
前走の
サウジアラビアRCは2着と敗れはしましたが、
サリオスを最後まで追い詰めた
クラヴァシュドール。3着以降を突き放した点から見ても価値のある走りでした。しかし、初戦が思った以上に苦労しており、揉まれる多頭数と阪神に戻るここは半信半疑ともいえます。もちろん、上位評価候補の1頭ではありますので、上記の要素や枠などを考慮したうえで最終的な印を決めたいと思います。
レシステンシアの前走
ファンタジーSは、早い流れを先行策から押し切る競馬。この馬の良さが最大限に発揮されるレースでした。ただし今回は距離延長に加え、真逆の一戦となりそうで、瞬発力勝負となった場合の対応力がカギとなりそうです。先行力と他馬との力関係、枠や当日の馬場を踏まえたうえで最終的な評価を決めたいと思います。
ヤマカツマーメイドは前走の
ファンタジーSで4着。良い形で4角を迎えましたが、直線で伸び切れませんでした。距離延長と瞬発力勝負はマイナスに働きそうで、年内で6戦目も気になるところ。ここはやや厳しめのレースとなりそうで、
武豊騎手の手綱捌きに注目です。
カワキタアジンの前走は、完全にゲートが影響する敗戦。内を突く厳しいレースのなかで健闘したことを考えると評価できる内容でした。スタートさえ決まれば先行も可能で、積極策を取れればGIでも十分に通用する逸材と考えています。理想は外枠からのレースで、人気薄のここは積極的に買いたい1頭です。
こうしてみると、やはり3強の
リアアメリアと
ウーマンズハート、
クラヴァシュドールについてはそれぞれ直線の長いコースでの重賞で活躍してきているぶん力がありそうで、評価を落とすことは非常に難しそうです。
ただ休み明けや多頭数、右回りなど初めて経験することがある以上は慎重な判断を下したいと考えています。一方で、穴として期待している
カワキタアジンについては、とくに外枠を引いた場合には積極的に買いたいところで、2歳戦で有力馬が揃っている以上は鮫島騎手の強気のレースに期待したいです。
現時点では3強のなかから1頭の評価を落として、穴狙いの3連単で美味しい馬券をゲットしたいと考えています。また、ここに取り上げなかった馬にも2、3着で狙える馬がおり、阪神JFの本命や穴馬の最終的な
ジャッジは当日に最終決断しますので、ぜひお楽しみに!
(文=倉本匠馬)