11日、
船橋競馬場にて牝馬限定の交流JpnIII・
クイーン賞が開催される。牝馬ダート戦線の中心が目まぐるしく変わるなか、出走予定メンバーを中心とした現在の勢力図と過去傾向をもとに、ライター・浅野靖典がレースの見どころを解説する。
今年4月に
船橋競馬場で実施された
マリーンカップは、川崎所属の
ラーゴブルーが優勝。この秋は
JBCレディスクラシックで4着に入ったが、その一戦を最後に引退することになった。
マリーンカップで2着に入った
アイアンテーラーと3着の
リエノテソーロは春のうちに引退。牝馬のダート戦線の主役は入れ替わり、7月の
スパーキングレディーカップを制した
ファッショニスタがまずは名乗りを挙げた。
8月の
ブリーダーズゴールドカップで重賞制覇を成し遂げたのは
アンデスクイーン。続く
レディスプレリュードでは先行押し切りを図る
ファッショニスタを差し切って連勝を飾った。
JBCクラシックでは8着に敗れたが、長い直線がある
船橋競馬場なら巻き返す可能性があるだろう。
ブリーダーズゴールドカップで2着に入ったのは、牝馬のダート
グレードレースを3勝している
プリンシアコメータ。逃げる3歳馬の
ラインカリーナをわずか数センチメートル交わしたところがゴールだった。
その一戦で
ラインカリーナは、
関東オークスを逃げ切ったスピードが古馬相手でも通用することを証明。
クイーン賞ではその3頭が再び顔を合わせる予定になっている。
ただ、そのときと違うのが負担重量。
ブリーダーズゴールドカップと今回を比べると、
アンデスクイーンが1kg増で、
プリンシアコメータと
ラインカリーナは1kg減。それがどの程度の影響を与えるのか、興味深いところといえる。
JRA所属のもう1頭、
トーセンガーネットは今年の南関東における牝馬2冠馬。ただ、
関東オークスでは3着といっても2着からは2.1秒差がついていた。今回は
JRAに移籍して3戦目、ダート戻りと52kgの負担重量を味方につけたいところだろう。
「軽ハンデ」といえば地方所属馬。2010年には笠松の
トウホクビジンが52kgで、2012年には高知の
アドマイヤインディが51kgで、ともに2ケタ人気で3着に食い込んだ。昨年は船橋の
オルキスリアンが51kgで3着、北海道の
アルティマウェポンは52kgで5着に入った。その2頭は今年もエントリー。ともに51kgの負担重量で昨年以上を目指すことになる。
ちなみに過去10年間で地方所属馬が3着以内に入らなかったのは、2014年の1回だけ。優勝は2011年の
クラーベセクレタが最後だが、最近4年の3着馬は「ハンデ53kg以下の地方所属馬」。今年の
地方競馬所属馬はすべて53kg以下で出走するが、そのなかからどの馬が浮上してくるのだろうか。その推理も楽しみたい。
(文:浅野靖典)
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