報知
オールスターCは、2007年から1月3日に施行されるようになり、同時に距離も2100mになった。そこから新年最初の南関重賞として定着。1着馬には
川崎記念と
ダイオライト記念の優先出走権が与えられ、新しい年の中長距離路線を占うレースにもなっている。2020年の顔ぶれは、豪華メンバーと言える顔ぶれとなった。中央在籍時にチャンピンズカップなどG1・3勝の
サウンドトゥルー、2019年
JBCクラシック3着の
センチュリオン、2017年に
川崎記念を制した
オールブラッシュ、2019年の同レースを制し連覇を狙う
ヤマノファイトなどが出走予定だ。07年以降のデータからレース傾向を分析する。
☆川崎所属馬が優勢
地方全国交流で南関11勝、他地区2勝と南関所属馬が強い。内訳は川崎5勝、船橋4勝、大井2勝とやや地元勢が優勢。
☆コース適性と大井重賞との相性
川崎の最長距離重賞で、2コーナー過ぎからスタート。コーナー6つでコースを1周半するため、2周目の向正面まではスローペースになりやすい。折り合いがつき、2100mを走りきるスタミナが必要とされる。左右の回りは違うが、大井重賞と相性が良く「大井外回りの1800m以上をこなせれば、川崎の2100mはもつ」というのが関係者の通説。その通りに優勝馬8頭に大井1800mの重賞を勝った実績があった。さらに残り5頭中2頭は同1800m以上のSIで3着以内の実績があった。
☆1番人気強し
1番人気の馬は【8122】と圧倒的な強さを誇る。
☆脚質
残り800mくらいまでは各馬が脚をため基本的にはスローペース必至だが、直線が短いコース形態を考慮して3角手前辺りから一気に仕掛ける馬も多く、ペースアップしたときに置かれない器用さと先行力が必要とされる。優勝馬で4角を4番手以下で回ったのは1頭のみ。7頭が4角先頭。1頭が同2番手。3頭が同3番手で回っていた(ただし逃げ切り勝利は1回のみ)。早めに仕掛けて押し切るという競馬ができる脚質の馬が台頭している。
以上を踏まえ、今年の報知
オールスターCの有力候補を探すと(馬齢は20年でのもの)。
昨年の
東京ダービー馬
ヒカリオーソ(牡4=川崎・岩本)が先に挙げた条件を全て満たす。1番人気にもなりそうな有望株で、前走の
戸塚記念が2番手から早め先頭で押し切る横綱相撲。ダービー時から馬体重も増え、ひと夏を越しての成長を感じさせた。
ジャパンダートダービーの5着は展開的な厳しさがあったし、1着
クリソベリルが
チャンピオンズC制覇、2着
デルマルーヴルが
名古屋グランプリを制覇と古馬に入っても活躍しており、レベルも高かった。
ヒカリオーソも今回が古馬初対戦になるが、能力は十分に通用する。
昨年の覇者
ヤマノファイト(牡5=船橋・矢野)が強敵。昨年は初めての川崎だったが、
羽田盃制覇、先行力あり、1番人気と条件を満たしていた。前走の
浦和記念はいつもより後ろからの競馬になったが、これは前の馬が急に下がって来た影響もあった。
古豪
サウンドトゥルー(セン10=船橋・佐藤裕)、
トライアルの
マジェスティックチャレンジを制した
ストーンリバー(牡6=大井・福田)が次点候補。
(文=秋田麻由子)