令和元年ラストの“地方全国交流”重賞「第43回
東京2歳優駿牝馬SI」(大井1600m内回り、世代別牝馬重賞シリーズ「グランダム・ジャパン(GDJ)2019」2歳シーズン最終戦)に、ホッカイドウ競馬から3頭の有力牝馬が遠征で挑む。
内枠から順に、1枠1番
テーオーブルベリー(
森泰斗54)3枠6番
ミステリーベルン(宮崎光54)7枠13番
コーラルツッキー(服部茂54)で、いずれもこのGDJ2歳シーズンで勝利を収め、ここに駒を進めてきた逸材ぞろいだ。第6戦として予定されていた水沢の「
プリンセスカップ」が取り止めとなったことで今年のGDJ2歳シーズンは第5戦までの勝ち馬がすべて異なっている状況で迎える最終戦。この「
東京2歳優駿牝馬SI」の優勝がすなわち「GDJ2019・2歳シーズン女王」襲名を意味するとあり、各馬とも勝利に向け入念に仕上げられてきた。
中でも実績最上位は、ダート
グレード競走の
エーデルワイス賞JpnIII(門別1200m外回り)で
JRA勢も一蹴した
コーラルツッキーだろう。中間に出走予定だった水沢「
プリンセスカップ」が取り止めとなってしまい、幾らか予定が狂ってはしまったものの、ひと息入れられ12月6日から再び坂路入り。27日までに計30本駆け上がり、一週前追いの20日には僚馬
テーオーブルベリーと併せて3F36.0-23.7-12.3の好時計をマーク。すでに息もできており大井までの長距離輸送もあるということで27日の最終追いは単走・軽めで済ませたが、
田中淳司師は「順調に来ています。中間は坂路だけでなくコースでも強めの負荷を掛けてますしね。これまでワンターンの競馬しか経験してなかったので、できれば前走に予定していた水沢でコーナー4つの小回り競馬での走りを見てみたかったですが、そこは仕方のないこと。1600mの距離も初めてなのであまり大きなことも言えませんが、頑張ってくれるだろうと期待してます」と話す。
もう一頭の管理馬
テーオーブルベリーは、前走笠松
ラブミーチャン記念で今回と同距離1600mを逃げ切っての参戦。中間の坂路では20日に
コーラルツッキーとびっしり並走、同タイムで併入と
田中淳司師も納得の動きを見せたとのこと。「
コーラルツッキーよりさらに順調と感じるほど具合はいいですね。最内枠に入りましたが、何が何でも先手とは思っておらず、発馬や他馬の出方を見ながらの競馬になると思う」と、こちらにも好走の期待を込める。
前走金沢「シンデレラカップ」で重賞2勝目を決め、ここに駒を進めてきた
ミステリーベルンも状態面ではまったく引けを取らない印象。
田中淳司厩舎の2頭より1日早い12月5日から坂路入りを再開し、同じく27日までに計37本を駆け上がってきた。門別でのレースでは、先行激化に巻き込まれて大失速するレースもあったりしたのだが、前走金沢遠征で3番手インから直線で抜け出して押し切るという「進化」を感じさせるレースも披露。着実な「成長」を感じさせるだけに、大目標の大一番で重賞3勝目を決め、新種牡馬
ニホンピロアワーズに「2歳ダート女王の父」という金看板をプレゼントするシーンも大いに期待できるのではないか。
「
東京2歳優駿牝馬SI」の発走は、大晦日31日の午後4時30分。ゲートインを楽しみにお待ちいただきたい。
(文=ひだか応援隊)