「ゆくゆくは
アグネスデジタルみたいな幅広い活躍をしてほしいね」
西園調教師が、芝、ダート、地方、海外と多彩な
ジャンルで走った希代の
ユーティリティー
プレーヤーを引き合いに出して、今後の“大暴れ"を期待するのが
シンザン記念に出走する
タガノビューティーだ。
ダートでデビューから圧巻の2連勝を決めたと思ったら、初芝だった前走の
朝日杯FSでも見せ場十分の4着。オール
マイティーな活躍を期待するのも無理はない。
「前走だって早めに勝ちに動く競馬をした分の4着。もっとじっくり乗っていれば2着はあったかな。ひっかからないから距離も大丈夫だと思うし、芝もダートもいけるというのはうれしい悩みだよね。人間の二刀流はめったに成功しないけど、馬の二刀流は
アグネスデジタル以外にも、
クロフネとか成功例は少なくないから」
そんな“令和の
アグネスデジタル"に持ち上がっている今後のひとつのプランが、
ヒヤシンスS→
伏竜S→米GI
ケンタッキーダービーという「ロード・トゥー・ザ・
ケンタッキーダービー」のルートだ。
「オーナーがケンタッキーに行ってみたいっていうことでね。去年、
マスターフェンサーで挑戦した角田(調教師)君に、輸送費はほとんど向こう持ちだったと聞いた。この世代のダートではウチのが一番強いと思うし、
マスターフェンサーの好走(小差6着)を見ても面白いと思う」
実際、角田調教師に聞いてみると、輸送費うんぬんの話はあくまで相手との交渉次第らしいが、それでも海外馬券を発売して以降の「日本馬勧誘」に対する前向きな姿勢を見ると、交渉も有利に進められるであろうことは想像できる。
どうせなら
シンザン記念で負けて
ケンタッキーダービーを目指すよりも、圧勝したにもかかわらずダート路線に戻して米国に乗り込む、格好いい“軌道"を描いてほしいもの。とにもかくにも、まずは
シンザン記念の
タガノビューティーの走りに注目したい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ