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内田博幸騎手が語る川崎記念優勝秘話

  • 2020年01月27日(月) 18時00分
 1月29日に2020年の交流JpnIの第一弾の川崎記念が行われます。2006年にこのレースを制した内田騎手に、その時にコンビを組んだアジュディミツオー川崎競馬場の特徴についてお聞きしました。

――内田騎手は2006年にこのレースを制しておられますが、まずその時にコンビを組んだアジュディミツオーについて少し教えてください。ミツオーには2004年9月の日本テレビ盃で初めて乗られたわけですが、それまではどのようなイメージをミツオーに持っていらっしゃいましたか?

内田 逃げる競馬をして結構リードをつけて勝っていたので、すごい馬だなと思っていました。

――初めて手綱を取った日本テレビ盃は逃げませんでしたね?

内田 馬が行きたがっていたら逃げようと思っていましたが、特にハナにはこだわっていなかったので2番手からレースを進めました。2着でしたけど、やはり走る馬だと思いました。

――その後、JBCクラシックアドマイヤドンタイムパラドックスユートピアなどの中央の一線級相手に健闘しましたね?

内田 強いメンバー相手でしたが、ミツオーはまだ若くて伸び盛りのこれからの馬だったので、それを考えると2着という結果はすごいと思いますよ。

――内田さんとのコンビでの初勝利は、その次の東京大賞典でした。JBCまでは内田さんとのコンビでは逃げてはいませんでしたが、このレースではハナを切りましたね?

内田 あの時は番手でもいいという気持ちでしたが、乗っていて馬とケンカをしそうだと感じたので、ケンカをせずにそのままスーッと先頭に立ちました。それがうまくいきましたし、強い競馬ができたと思います。

――翌2005年は地方競馬所属馬として初めてドバイヘも遠征しました。

内田 ドバイはダートの質も違いますから、それを考えると6着はすごいと思います。地方代表の馬がよく健闘しましたよ。

――その年の秋3戦、中央のジャパンCダートを含めて勝てないレースが続きましたが、再び暮れの東京大賞典で逃げ切り勝ちを演じ、年が明けて川崎記念でも優勝してGI2連勝となりました。このレースでもハナを切りました。

内田 馬が行く気になっていましたからね。2100mと少し距離が長いですし、マイペースで行きたいなと思ってレースを進めました。

――川崎では2100mのレースは数が少ないですが、このコース、距離の特徴を教えてください。

内田 最初の入りのカーブがきついので、十分気をつけていかないと外に膨れてしまいます。外に膨れないような進路の取り方をしていくというのが大事です。

――では川崎記念でも膨れないように気をつけたわけですね?

内田 はい。膨れないような乗り方があるんですよね。

――それは企業秘密みたいなものですかね?

内田 川崎の2100mでは、逃げるならこうした方が良いという乗り方、コース取りがあります。そう、企業秘密があるんです(笑)。

――川崎記念もコース取りがうまくいって、道中も考えていた通りのレース運びになりましたか?

内田 道中のペースは結構速くなったのですけど、この馬にとってはマイペースではないかなという感じでした。

――2100mと距離が長い分、コーナーも多く回るので器用さも求められると思うのですが?

内田 そうですね。ただ逃げている分、馬が周りにいませんので、他の馬に比べるとそこは有利ですよね。

――ゴールではクビ差まで詰め寄られましたが、しのぎ切りましたね。

内田 それなりのペースで行っていたので、馬自身もスタミナを使ってはいたのだと思います。最後は力を振り絞って走っていましたが、相手も中央の馬(シーキングザダイヤ)で力がありますから、詰めてはくると思っていました。それでも振り切りましたし、自分でレースを作って最後まで粘っていたので本当に強いと思いますよ。

――この年は川崎記念をはじめ、かしわ記念帝王賞も勝って充実した年になりましたが、乗り始めた3歳時と変わってきた点、そして長所は何でしょう?

内田 スタミナとスピードがうまく噛み合ってきたところですね。根性がものすごいところが長所です。気性はかなり荒かったですけどね(笑)。

――川崎は得意な競馬場でしたか?

内田 特に川崎がというわけではなくて、どこでも得意だと思って乗っています(笑)。苦手だと思ったら本当にそうなっちゃいますし、海外、地方、中央とどこの競馬場にもそのようなイメージは持っていません。せっかくチャンスのある馬に乗っても、コースに苦手意識を持っていたら自信のなさが出てしまいますから。

――内田騎手にとって川崎はどのような競馬場でしょう?

内田 左回りでしたけど、乗りやすいという印象があります。所属していた大井競馬場も街中にありますし、川崎も街中にあるので、違和感なく乗れました。川崎では本当にたくさん勝たせていただきました。重賞初勝利も川崎(ロジータ記念ドラールオウカン)で、地方所属時代の最後のレースも川崎でした。川崎で引退式もしていただきました。

――最後に2020年の抱負をお願いします。

内田 昨年以上に勝ち星を挙げて、関係者やファンの方が喜んでくれるような、内田に乗せて良かったと思っていただけるレースをしたいです。もちろん川崎でもたくさん乗りたいですし、また勝ちたいですね。騎手であり続ける限り、いつでも勝ちにはこだわりたいと思っています。

(取材・文=佐々木祥恵)

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