真冬の牝馬中距離重賞。今年は京都競馬場改修工事に伴う開催日程の変更のため、9年ぶりに小倉で開催される。牝馬限定戦になって以降に小倉で行われた10・11年の
愛知杯、そして過去10年の冬〜春シーズンにおける小倉芝(11年〜19年1回開催、10年3回開催、11年2・3・5回開催)の成績を踏まえて傾向を探っていきたい。
1.中・長距離志向の血統
過去10年の冬〜春シーズンにおける小倉芝2000mの成績(新馬・未勝利除く、牝馬のみ)を種牡馬の着別度数順に見てみると、1位から順に
ハーツクライ、
マンハッタンカフェ、
ダンスインザダーク、
ジャングルポケット、
ハービンジャー。夏と比べて時計が掛かりがちなこともあって、中・長距離志向の重厚な血統が活躍しやすくなっている。なお、
ディープインパクト産駒は[0-3-2-25]で、このシーズン牝馬は勝ち星がない。
2.差し・追い込みが優勢
小倉芝2000mは2コーナーから4コーナーにかけてだらだらと下っていくコース形態であり、他コースに比べて後方待機組に展開が向くレースになりやすい。混戦の牝馬限定戦ともなるとなおさらその傾向が顕著になるのか、11年の
愛知杯は前総崩れの結果となっており、10年も勝ち馬こそ好位で立ち回った馬だったが、2〜5着は道中後方待機から上がり3F3位以内の末脚を使った馬が独占した。
3.ローカルに替わっての巻き返し
昨年は
エリザベス女王杯で11着に敗れていた
ワンブレスアウェイが巻き返し1着。16年は前走
マーメイドSで15着だった
バウンスシャッセが一変して優勝している。また、小倉開催だった10・11年で3着以内になった6頭はいずれも前走京都で敗れていた馬だった。求められる適性が違うローカルに替わって巻き返してくる馬は多い。
レイホーロマンスの巻き返しに期待したい。17年の再転入後は小倉で勝ち上がり、18年の
小倉記念では牡馬相手に最速の上がりで4着と小倉への適性は見せている。前走の
万葉Sで上がり2位の末脚を使うなど長い末脚はまだまだ健在で、牝馬限定ハンデ戦のここならチャンスは十分にあるだろう。