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ラストドラフト マーフィーの手で蘇る/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年01月23日(木) 18時10分
 今週の中山メイン・アメリカJCCにクロスケ(近9走すべてダートに出走)の名前を見た時、畠山吉宏調教師が2週前に漏らした言葉が頭をよぎった。

「ダート路線のオープン馬は中央で不要ということなんでしょうか」

 トレーナーが、ため息をつく理由も理解できる。2週前のポルックスS(中山ダ9ハロン=フルゲート16頭)は実に39頭がエントリー。師が管理するローズプリンスダムは18番目の出走決定順で除外になった。

「(昨年9月に)オープンを勝ってさえ、次に使える保証がない。それが芝路線との決定的な違いですよね。降級制度がない現状では、出走機会が削られる一方。地方に転キュウするオープン馬も続出するんじゃないですか」

 優先出走権が発生するのは「前走から5週後の投票→除外」から。つまり、収得賞金の少ない馬は2か月に1走できれば御の字という現状である。オープン馬はサラブレッドにおけるエリートだが、(JRAの)ダート馬の扱いのぞんざいさは今回、クロスケの登録にも象徴されていないだろうか。

 さて、対照的に少頭数になりそうなアメリカJCCで、当方が馬券的に注目するのは復活気配がひしひしと漂うラストドラフトである。

弥生賞までは馬の気持ちに任せて前に行く競馬が続きましたが、中団から伸びた前走は、それ以降に差す形を教えてきたことが生きた形。折り合いも十分ついていたし、距離を延ばせる確信も得た走りでした」

 斎藤良則助手がこう語るように、前走・中日新聞杯は8番手から直線鮮やかな伸び脚。直線半ばで先団をのみ込んで大楽勝かと思われたが、先頭に立ったところで物見をして内にヨレたのが誤算(アタマ差2着)だった。

 とはいえ、対策は十分に練られている。連続騎乗するオイシン・マーフィーは中間も再三コンタクトを取っており、感心したのは併走馬を並ぶ間もなくかわした1週前追い切りの意図である。

「戸田先生と相談して調教の中で抜け出す練習を試みたが、突き抜けても変な面を見せず集中していた。心身ともにすごくいい状態で実戦が楽しみ」と鞍上は同じ轍を踏まぬ構え。デビュー2戦目でGIII京成杯を制した超エリートが、冬の中山で再び輝きを取り戻すシーンに期待しよう。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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