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武藤厩舎 岡田オーナー所有の2頭の好走を期待/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年02月06日(木) 18時00分
 全休明け(4日)の美浦で国枝栄調教師の表情が変化したのは、GIIIクイーンCを予定するマジックキャッスルの鞍上フォーリーに話が及んだ時だった。

「彼の調子はどうだ? オイシン(マーフィー)くらい勝てるのか?」

 残念ながら答えは「ノー」。むろん騎乗馬の質によるが、マーフィー27勝に対し3勝とかなり後れを取っている。

 ただ、師もおそらくそれは承知の上だろう。2日終了時点で全国リーディング(8勝)に立つ国枝キュウ舎だが、そのうち6勝は鞍上マーフィーで稼いだもの。彼が日本を去った今、気になっているのは“勝負の流れ”が変わることであろう。

 その一方、月替わりで反撃を期すキュウ舎も当然ある。美浦代表格は武藤善則調教師かもしれない。

「いや〜1月はいろいろツキがなくてさ。意気込んだ競馬初日はインフルエンザで休むハメに。初めてスタッドレスタイヤを購入すれば、待っていたのがこの暖冬でしょ? 燃費がかさむだけってオチでね」

 さすがはわが盟友。“カッパを着込むと雨が上がる”という伝説を持つ当方さえ、心が洗われるチグハグぶりである。さらに岡田繁幸氏とニュージーランド(カラカ)のセリに同行した2週前、こんな微妙な会話も交わされたという。

「出国前の成田のロビーで岡田さんが唐突に言ったんだよ、“悪いけど今回買う馬は他キュウ舎に預けるつもり。ごめんね”って。俺のモチベーションを考えたら、普通はセリ終わってから言うでしょ(笑い)。それが岡田さんの正直さなんだろうなぁ」

 もっとも、御大があえて師を同行者に指名したのも、その人柄を愛すればこそ。加えて、勝てる馬を預けているという自負があればこそ。ゆえに力が入るのが今週小倉、岡田オーナー所有の2頭である。

「まず、土曜かささぎ賞(3歳1勝クラス)のコスモアンジュは、放牧を挟んで顕著な変わり身を見せてくれたよね。前走は前半3ハロン33秒7でも手綱を持ったきり。最後は流して3馬身半差だから昇級でも大いに楽しみ。日曜メイン・関門橋S(3勝クラス)のナイママも時計を要する平坦芝はドンピシャ。ハマりそうな気がしてならないんだ。パイロテクニクス(古馬1勝クラス)がスタンバイする東京も含めて今週は固め打ちしたいね」

 今季まだ1勝。それでも「目標24勝!」の力強い色紙の文字が調教師ルームに掲げられている。むろん勝負は始まったばかり。今週は月が替わっての“ツキ替わり”を盟友に期待してみよう。

 (美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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