きさらぎ賞はクラシックへの登竜門という位置付けの印象が強いレースですが、近年はここを勝ってクラシックで勝ち負けした馬は、2016年の
菊花賞馬
サトノダイヤモンドしかいません。ただし、過去には
オルフェーヴルや
グローリーヴェイズが出走しているようにメンバーが弱いというわけでもなく、その時点での完成度や馬場適性が結果につながりやすいということでしょう。
今年の馬場は、先週の
シルクロードSの勝ちタイムが1分9秒0と遅かったように力が要る馬場状態。これらのことを踏まえて、今回の有力馬を考察していきましょう。
最初は
アルジャンナ。写真で見ると肉付きが良く、馬体重の割にパワフルな馬体に見えます。これも体重の割にですが体高がありますし、距離は持つタイプでしょう。
ディープインパクト産駒にもかかわらず、ひ弱さはあまり感じないタイプで、パワーの要る馬場でもこなせそうです。後肢が長く、大きなス
トライドを生み出せるつくり。まだトモの実の入りは甘いですが、現状でも素質の高さで走れそうです。
ギベルティは馬格があり、なおかつ柔軟性もありそうで、スケールの大きさを感じさせます。イメージ的には、同じ
オルフェーヴル産駒の
皐月賞馬
エポカドーロを大きくした感じです。ツナギが深く飛節も曲飛節気味ですが、スタートが良くダッシュも付くタイプ。競馬センスも良いと思います。パーツが長く、緩さもあるので距離延長も問題なし。まだまだ緩い体付きですが、現状でも十分やれそうです。
使いながら良くなっていますし、立ち写真では一番良く見えるのが
コルテジア。前走時はトモがまだ緩い印象でしたが、今回の写真を見ると実の入りが良くなっています。背中のラインもしっかりしてきましたし、飛節にも力強さがうかがえます。無駄のない体付きで、スタミナ十分。今の馬場も合いそうです。
トゥルーヴィルは直飛節気味で、この馬格の
ディープインパクト産駒にしてはパワーがあるほうだと思います。馬場はこなせそうです。ツナギが柔軟でバネ感がありますし、筋肉の質もゴムまりのよう。条件的に京都の外回りは合いそうです。初戦は直線でいったん挟まれて後退しましたが、それでももう一度伸びて差し切り勝ち。根性もかなりある印象です。写真よりも、歩かせたほうがス
トライドが伸びるので距離も問題ありません。
このあたりが有力です。馬場がパワー・スタミナに寄っているようなら
ギベルティや
コルテジア、瞬発力が生きるようなら
アルジャンナや
トゥルーヴィルあたりが狙い目になるでしょう。結論は今週の馬場状態やパドックでの状態なども含めて、『
ウマい馬券』の直前情報で出したいと思います。
(文=古澤秀和)