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【佐賀記念回顧】連勝中の勢いと鞍上の好騎乗でナムラカメタロー(斎藤修)

  • 2020年02月12日(水) 18時00分
 JRA勢5頭の中では実績的に抜けた馬こそいないもののオープン以上の勝ち星があり、いずれも単勝一桁台。その5頭が序盤からひとかたまりになっての勝負となった。

 積極的にハナを取りにいこうという馬はなく、スタート後の直線では3頭が互いの出方をうかがうような感じだったが、枠順からやはり内のラインカリーナが先頭に立つ形となった。ナムラカメタローが直後でぴたりとマークしたためにそれほどペースが緩むこともなく、地元佐賀勢で期待された2頭も含め、どの馬も存分に能力を発揮できる展開だった。

 3コーナー過ぎ、ラインカリーナの内からロードゴラッソが、外からナムラカメタローが勝負に行って、ラインカリーナは4コーナーで脱落。直線は人気2頭の一騎打ちとなり、ナムラカメタローロードゴラッソを振り切った。その差1/2馬身は、枠順と道中の位置取りにあったように思われる。

 外枠のナムラカメタローは、ラインカリーナのすぐ外、半馬身ほどの差でぴたりとマークし、いつでも動ける位置。対して3番枠だったロードゴラッソラインカリーナの直後で、斜め前にはナムラカメタロー、併走するように外にはテルペリオン、さらに斜め後ろにはノーヴァレンダ。1番人気だからというわけでもないだろうが、完全に包囲されてしまった。

 ご存知のとおり佐賀コースはラチ沿い2、3頭分ほどの砂が重く、しかもこの日はパサパサに乾いた馬場。ロードゴラッソは勝負どころでも外に持ち出せるようなタイミングはなく、そのままラインカリーナの内から勝負に行かざるをえなかった。それゆえ、少なからず砂の重いところを通らざるをえなかったということはあっただろう。直線ではナムラカメタローにぴたりと馬体を併せての追い比べとなったが、そもそも4コーナーあたりでの手応えからして勝負あったという感じだった。

 それにしても石川裕紀人騎手は、佐賀競馬場はこの日が初めての騎乗だったそうだが、外枠から好位キープという最高の騎乗で、連勝中の勢いそのまま、ナムラカメタローの能力を存分に発揮させた。

 ノーヴァレンダロードゴラッソの直後でペースが上がった勝負どころで食らいついていったが、直線伸びる脚はなく2着ロードゴラッソから3馬身差。今回は緩みのない流れで脚を使わされてしまった。2歳時の勢いがすっかり影を潜めてしまったが、地方の小回りコースでスローの好位付けなら、相手次第ではチャンスがあるのではないか。

 ラインカリーナは、直後でナムラカメタローにぴたりとマークされる展開はいかにも厳しかった。加えて、JpnII(関東オークス)勝ちゆえ、1、3着馬と同じ55kgという斤量も恵まれなかった。

 テルペリオンは予想でも書いたが、中央でのオープン2勝の勝ち方を思うと、フリオーソ産駒のわりに地方では直線追い比べとなっての勝負強さに欠ける。どちらかというと力を発揮するのはダートでも中央の競馬場なのではないか。もともと馬体重の振れ幅が大きいが、今回は3カ月半ぶりの実戦で輸送があっての大幅増ということでは、その影響はあったかもしれない。

 地元佐賀の期待馬2頭は、中央5頭一団の馬群からやや離れた位置を進み、向正面でペースアップする前にグレイトパールが直後に取りついたものの、そこまで。57kgという斤量もあったが、JRA勢には1頭も先着できず。九州大賞典東海菊花賞のように地方同士なら強い競馬をすることもあるが、昨年の佐賀記念でもペースアップした向正面でついていけなかったように、現状、中央の重賞級が相手のペースではちょっと厳しい。

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