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【勝負の分かれ目 フェブラリーS】「新しい馬」になったモズアスコットが二刀流王者に

  • 2020年02月23日(日) 19時14分
 第37回フェブラリーステークスのゲートが開いた。

 芝コース上のスタート地点からダートコースに入ったときにはワイドファラオが体半分ほど抜け出していた。が、すぐ内のアルクトスが、鞍上の田辺裕信に促されて並びかけ、そのまま並走して馬群を引っ張る格好になった。

「自分の馬のほうがスタートは速いので、逃げる形も頭にはありました。ワイドファラオと一緒に行く形になったのは、下げて後ろにハマるのが嫌だったからです。最後は少し甘くなりましたが、この馬としては、勝ちに行く競馬をした結果です」と田辺。

 1馬身半ほど離れた3番手はタイムフライヤー。逃げると見られていた武豊インティは、その外の4番手になった。

「今日はらしくなかった。返し馬では唸っていたんですけどね。初めて走らなかった。走りのバランスもよくなかった」と武。

 クリストフ・ルメールモズアスコットは、そこから3馬身ほど後ろ。3コーナーに入ったときには中団の内につけていた。

「前走の根岸ステークスは初めてのダートだったので、安全に乗って、大外から伸びました。今回はダートが2戦目なので、馬の間で競馬ができると思いました。内枠にチャンスのある馬たちがいたので、(簡単には下がってこないだろうからと)内を走りました」とルメール。

 先頭のアルクトスワイドファラオが併せたまま直線へ。

 ラスト400m地点で、アルクトスが抜け出しをはかる。やや下がったワイドファラオの外からタイムフライヤーが伸びてくる。

 インティはこれらの3馬身ほど後ろに置かれ、伸びずにいる。その内からモズアスコットが並ぶ間もなくかわし、タイムフライヤーの外に持ち出した。そして、ラスト200m地点で力強く抜け出し、2着を2馬身半突き放してフィニッシュ。JRA史上5頭目の芝・ダートGI制覇の偉業を達成した。

「3、4コーナーで馬がちょっとだけ頭を上げた。狭くなって馬が怖がりました。それでも、直線ではすごくいい脚を使った。速さはすごかった。びっくりしました」とルメールは笑顔を見せた。

 一方のインティは、武が「無事ならいいんですけど」と心配するほど伸びず、14着に終わった。

 対照的な王者の交代劇となってしまった。

根岸ステークスからモズアスコットは新しい馬になりました」というルメールの言葉が印象的だった。

 次走はオーストラリアのドンカスターマイルに向かうとのこと。矢作芳人調教師は言う。

「今日は自信があっただけに緊張しました。芝・ダートを問わず、本格的な二刀流としてこの馬を育てていきたいと思います」

(文:島田明宏)

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