5月1日に
チャーチルダウンズで行われるG1ケンタッキー
オークス(d9F)の最有力候補と目されていたバスト(牝3、父アンクルモー)の、電撃的な引退が発表された。
G1サンタマルガリータS(d9F)勝ち馬
フォルトの従姉妹にあたり、ファシグティプトン・サラトガ8月1歳市場にて50万ドル(約5612万円)で購買されて、西海岸の伯楽ボブ・バファートの厩舎に入厩したバスト。2歳8月に
デルマーのメイドン(d5.5F)でデビューし2着に敗れると、次走はいきなりG1
デルマーデビュータントS(d7F)にぶつけ、ここを制しG1で初勝利。続くG1シャンデリアS(d8.5F)も連勝後、G1BCジュヴェ
ナイルフィリーズ(d8.5F)では3着に敗れたものの、G1スターレットS(d8.5F)を制し3度目のG1制覇を果たしていた。
今季初戦となった1月5日のG2サンタ
イネスS(d7F)快勝後、この後はひと息入れて、どこかをひと叩きしてケンタッキー
オークスという青写真が描かれていたが、2月半ばになって球節に腫れがあり、検査の結果、軟骨部分に損傷があることが判明。全治4か月の診断が下り、目標としていた春の3歳クラシックを全休することになったことから、このまま引退して繁殖入りすることが、20日(木曜日)に決まったものだ。
北米からは先週月曜日(17日)にも、LRマーサ
ワシントンS(d8F)を含めてデビューから3連勝中だったタラズ(牝3、父イントゥ
ミスチフ)が、
オークローンパークでの調教中に左前の繋骨を骨折。予後不良と診断され安楽死処分がとられたばかりだ。
今季の北米3歳牝馬ダート戦線は、大物2頭を一気に失うことになった。
(文:合田直弘)